2005年09月14日
コンテンツ番号5061
新病院建設計画などについて、7氏が一般質問
第4回北秋田市議会9月定例会の本会議が9月14日(水)、北秋田市交流センターで開かれ、7議員が一般質問を行いました。この日は新病院の建設計画や既存病院の抱える課題等についての質問を受け、岸部市長は、13日の全員協議会で示した「北秋田市医療整備基本構想」を踏まえ、新病院が目指す高度医療や厚生連との協議について説明、既存病院が直面している医師の確保等の課題についても答えました。
また、小学校再編整備計画についての質問には、ある程度、児童生徒が集まってお互いに切磋琢磨できる体制が人間形成に必要と基本方針を述べ、三澤教育長が小学校再編整備計画では、地域性、通学路程、児童生徒の出生数等を考慮、小規模校で推移するところもあると今年度策定される計画の構想に触れました。
各議員の質問と、市長の答弁の要旨は次のとおりです。(<>は教育長、部長)
●質問日:平成17年9月14日(水)
山内清種
(順位1-1)
人口減少対策(人口減少が与える影響と対策について)
当市の5年後、10年後、20年後の人口推計は。
平成12年国勢調査人口(42,050人)を基準人口として推計すると平成17年には39.329人、平成22年は36.447人、平成27年は33.460人、平成37年では27.412人となる。
活性化とは人の動きと認識しているが。
人だけ、肉体だけの動きでは活性化とは思っていないが、人口が減少することで活性が鈍るのは事実。様々なものが活発に動くことが活性化につながり、バランスが大事と考える。
人口減少で諸計画の変更必要と思うがどうか。
人口減少に合わせた計画変更は考えていない。人口増に繋がるよう努め、力点をおきたい。
当市の適切な人口は。
1kの人口密度は32人、県の1/3で希薄。適正人口はむずかしいが、個人的な考えでは自然との共生数値として8万〜10万人位、現在の倍位がいいのではないか。
行財政改革(分庁舎方式を早期に集約型方式に改める考えはないか)
本市では分庁舎方式の事務所となっているが、どんな不便があるか。
本庁舎と分庁舎は離れており、すぐに資料が必要なときなど確かに不便なところもある。総合支所方式は市民に身近なサービスと地域密着型業務の展開で、いい方式だと思っている。
行財政改革(行政広報の高度活用)
主要事業の変更は広報で補完。
部署間の連絡を密にして月2回の発行の中で報告していきたい。
行政広報を住民は何%見ていると認識しているか。
どの程度見たのを見たというのか難しい。見やすい紙面づくりに工夫したい。ふるさと会に出席するとこちらのことを非常に分かっている。市のホームページをご覧いただいている。高齢者に対してお孫さんに読んでもらうなどの運動を展開したい。
教育行政の課題
石綿(アスベスト)利用施設の実態調査と対策について。
長い潜伏期間ののち発症するが、アスベストが原因であれば行政に責任があると思う。
<教育長>
教育施設では、森吉中学校、合川西小学校、合川高校のボイラー室にアスベストの原料アモサイトという有害物質が含まれていた。これまでも施錠し、児童・生徒は入れなかった。ただちに撤去したい。理科実験に使用する石綿も回収し、ロッカーに施錠管理しており、この後、業者に廃棄依頼する。
幼小中高校統合の取り組みと現状について。
<教育長>
幼稚園・小学校の再編整備計画プロジェクトを立ち上げた。本年度中に素案を作成し、住民、議会に諮問したい。高校の統廃合は北秋田地区高等学校統合に関する協議会を立ち上げ、協議した結果、県教育委員会の請願どおり、3校を1校に統合することとして多数をもって了承され、意見書として市長に報告する。
千葉文吉
(順位1-2)
市政の具体的な特色と目標について
施政の特色は「自然と人の調和」それによって、どんな市にしようと考えているか。若い人たちも含めて生活できる地域でなければならないが、その為の施策は具体的にどのように考えておられるか。
そのために来年度の目標は何か。
「自然・ひとが調和し、活気とぬくもりのある交流都市」を目指したい。合併初年度であり、来年度はそれを踏まえ、現在行っている施策、議論していることの延長線上にあると 考えてほしい。
過疎対策の具体的取り組みについて
過疎対策のための施策は市にとって最重要課題と考えるが、6月議会で答弁された取り組みは、どのように進められるのか。
17年度過疎債事業は、大阿仁保育園建設事業、前田保育園建設事業、沢口児童館建設事業、多目的集会施設改築事業(桃栄)、高能率団地路網整備事業、除雪機械整備事業、湯口内線道路改良事業、大野台幹線道路改良事業、下杉上杉線道路改良事業、市民プール建設事業。辺地債事業は、七日市松沢線改良事業、小様三枚線改良事業となっている。
市の債務について
「合併協議会だより第2号」には、合計447億余りとなっているが、6月議会の説明では差異があったのではないか。 公債費31億余りの根拠となった債務の額はいくらか。差異があるとすればその理由と、合併に伴う債務の返済計画はどうか。
合併協議会だよりは旧4町分で、6月議会答弁には旧4町分に加え、広域組合及び合川高校を合算した463億円となっている。 公債費償還額の根拠は一般会計起債残高271億円に対する償還額。
市立病院について
阿仁診療所にすることが提起されました。診療所にするメリットは何か。職員の関係や地元の関係はどう考えておられるか。
統合病院建設までは現在のままの病院で存続、統合病院建設後に病床数19床の診療所として計画している。入院機能が残ると同時に外来機能の強化を図ることで、良い方向に改善される。
米内沢病院の現状と今後の充実について、どのように考えているか。
経営の安定化には医師の確保が最優先。統合病院建設後は外来部門の一次医療の充実を図り、さらに療養病床と老健施設の整備を検討している。
高度医療の混合診療が、病床数に関係なく診療所でも可能になると報道されたが、どう受け止め統合病院との関係はどうか。
混合診療は一定の部分について保険が利かない患者負担のことで市としては検討していない。
まちづくり計画について
地域別将来発展方向の鷹巣地域の計画と、統合病院の計画とはどのような関連性があるのか。
統合病院は新市の医療の中核となるもので、鷹巣地域に限定した病院ではない。地域別将来発展方向の鷹巣地域の計画とは一致しない。
この計画と空港周辺に計画されるであろうと言われる各種の計画との整合性をどのように考えるか。
まちづくり計画は、合併後の新市を建設していくための基本方針を定めたもの。新市の基本構想・基本計画ができるまでは、上位計画として位置付けられる。空港周辺を含めた大野台構想はこれから計画される基本構想・基本計画で示す。合併時に3町の交わるところということで計画している病院建設と市庁舎建設は病院ができるからとか庁舎ができるからだとかということで考えていない。
大太鼓祭りはどのような目的で取り組まれているのか。「太鼓の里づくり」か「大太鼓の里づくり」か。これまでの取り組みをどのように総括しているか。今後の考えとその具体化はどうか。
「太鼓の里」と「大太鼓の里」は別個のものではなく両方大事で、特に、大太鼓は、この地域のシンボルである。大太鼓の館がリニューアルする。音を聴く、実際に太鼓をたたくということが太鼓の魅力。リピーターが増えると考えている。
社会生活に適応できない若い人たちについて
「NEET」とも言われる20歳代30歳代の実態把握はどうか。住民としてどのように考え、今後の対応をどのように考えておられるか。
どういう人が「NEET」か定義がむずかしい。少しでも多くの若者が就業できるように雇用の場を確保することが大事。
福岡由巳
(順位1-3)
新病院建設問題について
6月定例議会において若干触れているが、厚生連との関係について、その後、協議はどこまで進展しているのか。
職員の身分について(公立米内沢病院、阿仁等の職員)、その後、変更があるのかどうか。
地方公務員の派遣法を活用した派遣職員という身分でということで申し入れてきた。技術者にとって、そんなに違和感はないのではないだろうか。
厚生連は、指定管理者制度をどのように考えているか。
厚生連に条件等を説明し、提案している。それを受けて返答がある。
厚生連は、地域医療支援病院を基本的に認めているか。
地域医療支援病院は1年間の実績をみてからとなるが、最初からできるように厚生労働省に要望している。平成18年度に、この制度が大きく変わろうとしており、1月に発表があるが、名称は変わるかもしれない。最初から地域医療支援病院としてできれば、良い制度だということで厚生連は思っている。
厚生連は、北秋中央病院を診療所にすることを基本的に認めているか。
400人位の外来を厚生連でやってほしいと申し入れている。しかし、採算性と常勤医師が3人必要となる体制に問題があるようだ。
北秋中央病院の財産(土地)処分について、どうなっているか。
市で土地を買ってほしいと言われているが、必要性を考慮して返答するとしている。
小学校再編整備計画について
6月定例議会施政方針中、「学校の適正規模は各学年2クラスが望ましい」と述べているが、その後の教育委員会の具体的作業においても理解できない点がある。これについての市長の基本的考え(論拠)はいかなるものか。
教育長は「個人的には市内16校を8〜9校にするのが適正と考える」と述べているが、前記と関連していかなる構想であるのか。
ある程度児童・生徒が集まってお互いに切磋琢磨できる体制が人間形成のために必要と考える。
<教育長>
県が考える標準的な適正規模を基に、各学年2クラスが望ましいと申し上げたものであり、小学校の再編整備計画では、地域性、通学路程、児童生徒の出生数等を念頭に置き、多角的要素を吟味し、検討を進める。小規模校で推移するのもしかたないところもある。
黒澤芳彦
(順位1-4)
新病院の建設について
どういう特色を持った病院にするのか。それにより病院の形態や規模が確定され、グランドデザインが描かれる。
他でやっていないことをやれという考え方に賛成。空港を活かすことと、ここで治療すれば「治るよ」という特色ある病院にしたい。ガン診断は進んでいるが、ガン治療は遅れている。東北に現在は1基しかないガン治療の最新医療機器の導入を計画している。救急医療体制を是非備えたい。
観光について
北秋田市全体の観光についてのグランドデザインが必要である。
森吉山観光について、どういう観光を提供するのか。
森吉山ダムと観光について、どのような話し合いがなされ、実効性はどうなのか。
観光施設のネットワーク化は。
自然体験長期滞在型観光を提供したい。森吉山ダム湖周辺開発については「癒しの森吉湖畔づくり検討会」を設立し、森吉山ダム事務所と共同で具体的な観光施設整備の策定を行っている。この整備計画案をもとに事業の実効を図っていく。国の事業であり、いろいろなことが実現できる。皆さんからの意見を頂戴したい。白神、十和田、八幡平、田沢など全体を考慮したルートづくりが大切。エージェントに来ていただき誘客に努めたい。
第三セクターの指定管理者について
独立採算制を目指し、早急に指定管理者を選任すべきである。(北秋田市有機センター、財)北秋田市森吉観光公社、財)鷹巣福祉公社等)
現に第三セクターに管理委託している施設については平成18年4月からの指定管理者制度開始に向け作業をしているところであり、その方向性を議会にお諮りする。
佐藤 征太郎
(順位1-5)
市長の政治姿勢について
県立高校統合に関する県側の発表に対し、市長記者会見での大野台地区もあるという考えの真意について
県の鷹巣農林高校敷地に建設するという案に対し、県教育長に北秋田市は広い所がたくさんあり、もっと広い視野で考えてもらいたいという意味で話している。大野台に建設を要望しているわけではない。
内陸線存続に対する商品券の購入に協力し、乗車運動に取り組むことについて
市議会議員、市役所職員に商品券の予約販売を実施した。ご協力に感謝。貸切列車も一両4万円、各地区のイベントにも利用できる。気楽に使ってほしい。乗車運動としてSLを走らせるとか、沿線にサクラ、カエデを植樹し、個人の所有として「あなたのサクラが見ごろですよ、あなたのカエデが色づきましたよ」と情報提供するのも一案。内陸線では「ほたるの里づくり」に一生懸命に取り組んでいる。
アスベスト問題について
北秋田市の学校含む6施設に疑いがあることについて、結果と今後の対応について。また、民間についての対応は。
保健所等関係機関と連携を取りながらの対応となるが、市においても、市民の不安を軽減するため、相談窓口を設け状況の把握に努めたい。
街灯の増設について
市立合川高校から男子の清心寮までの間、街灯を増設願いたい。
不審者等の防止を考えた場合、街灯の設置も大きな役割を果たす。関係者と協議して場所を決め、設置したい。
松橋隆
(順位1-6)
企業誘致について
企業誘致について市長の基本的考え方。
人が来ると、それに伴って様々な産業が発生する。大型店舗関連で1000人規模の雇用が生まれ、それに期待している。
企業誘致について対策室の設置と専門職員の配置は。
企業誘致に首都圏在住の経済人をリストアップして協力員の委嘱について。
賛成。コンサルタントを置いたときもあったが成果がなかった。自分たちで立ち上げたい。職員を配置して検討したい。
遊休農地の利活用について
北秋市内に遊休農地はどの位あるのか。旧町単位の面積は。
「過去1年間作付けせず、今後作付けする意思のない土地」と定めた耕作放棄地が鷹巣28ha、合川56ha、森吉47ha、阿仁27ha、合計158ha。耕作面積は鷹巣2996ha、合川1389ha、森吉997ha、阿仁348ha、合計5730haで耕地全体の約3%が耕作放棄地。
遊休農地の利活用を行政として、どう考えているのか。
農地は、あくまでも農地として利活用すべき。作目を選んで独特のものを作付けする。例えば上小阿仁村の食用ほおずきの例にあるように、そうした作目を紹介いただきたい。
国が進めようとしている集落営農政策によって北秋田市の営農の明るい未来像が見えているのか。
何といっても農業は基幹産業であり、農村地帯は「心のよりどころ」「心のなごみ」を感じる。基幹産業の第1次産業を大事にすることで、2次、3次へとつながる。
中嶋 洋子
(順位1-7)
男女共同参画社会の実現を目指して
参画計画はなるべく早く作るべき。
新市の地域づくりにこそ、参画計画は必要。
男女平等であり、男性は女性がいるから生きていけるのかも。女性は持久力があり、忍耐力がある。計画力もあり、偉大。参画計画は年度内に策定したい。策定委員会を10月以降に予定している。
市民公募で推進しやすい計画に。
広く有識者などの意見を取り入れて策定したい。
入札制度の改善を
(最近、自治体議会において入札に関する質問が多い。それは国・地方とも膨大な借金をかかえ、財政が逼迫していることに起因している。)
指名競争入札から一般競争入札に改めては。
工事は市内業者に施工してほしい。指名競争入札制度を維持していきたい。9月の入札からA級業者が行う工事は予定価格の公表を試行的に行っている。B・C業者の入札についても順次行っていきたい。
談合対策はどうしているか。
公正・公平・厳正に行っており談合の情報等はない。
工事完了後のかし担保は何年か。
契約約款により引き渡しを受けた日から2年、木造構造物、植栽の場合は1年となっている。
市の指名業者について
指名審査委員会は財政課が事務局を担当し、助役を委員長に部長4人、支所長4人の計9人で構成。市長は一切タッチできない。