2005年09月15日
コンテンツ番号5060
大型店舗や福祉行政などについて、6氏が一般質問
第4回北秋田市議会9月定例会の本会議、一般質問の2日目が9月15日(木)、北秋田市交流センターで開かれ、6議員が一般質問を行いました。この日は建設計画のある大型店舗や福祉行政について質問がだされ、岸部市長は、消費購買動向調査の数字をあげながら大型店舗の必要性を説明、福祉行政関連では介護保険制度の改正点や福祉公社の経営について答えました。
また、農業政策についての質問には、「地域農業を支えていくには農業者すべてが担い手、農業を守って支援していかなければならない」と基本方針を述べました。
また、既存病院の医師不足による患者離れ対策に「市長診療日」をとの提案に対し、「ピンチを救えるのであれば、皆さんの許しを得て実施したい」と病院経営問題の打開策に熱意を見せ、「何としても医師を確保したい。お力添えを」と協力をお願いしました。
各議員の質問と、市長の答弁の要旨は次のとおりです。(は教育長、部長)
●質問日:平成17年9月15日(木)
花田 隆一
(順位2-1)
産業振興について(市の農業政策について)
国の米政策改革では、米農家は生きれないのではないか。
食糧は特別。ひとたび何かあれば国民、市民、甚大な被害を受ける。農業を守って支援していかなければならない。農業には市だけでなく、県、国からも心を配っている。売れる米づくりに重点を置き、高品質・良食味の生産対策を進め、消費者が求める安心・安全な米づくりを推進していくことが大事。
認定農業者だけでは、地域農業を守れない。
認定農業者は現在251人、136集落のうち、認定農業者のいない集落が37集落もある。日本のふるさとは農家にある。必ずしも一定の規模を持った認定農業者だけではなく、集落農業も大事だと思っている。
<産業部長>
現在の農地は守っていく。小規模農家も守っていかなければならない。国では大規模への転換を図っているが、市独自の政策を各団体と協議の上、考えたい。
やる気のある農業者をすべて担い手として育成していくべきではないか。
農業者すべてが担い手であると認識している。
学校給食への食材の供給が減っているようだが。
これまで鷹巣ではジャガイモ、長ネギなど8品目、合川では菊、キャベツなど11品目 、森吉ではジャガイモ、長ネギなど7品目、阿仁では米、リンゴなど5品目を学校給食で需要。安定供給が不可欠要件。地産地消がテーマであり見守っていきたい。
食育を大切にするべきでないか。
学校のカリキュラムでも、栄養やカロリーを考え、これはどういう働きがあるということで学習している。毎日の食事を正しく摂取することで、身体に対する抵抗力や脳の活性と体力の増強に直結するものと認識している。
旧鷹巣町では「農を持って立町の精神とする」という町是のようなものがあったが、新市においては何をもって立市の精神とするのか。
鷹巣ばかりでなく、他の3町も同じ精神で行ってきた。市は大自然に囲まれたすばらしい土地環境がある。古くから農林業で地域経済を支えてきた。あえて一口で言い切るのであれば「豊かな自然と市民をもって立市の精神とする」となろう。
大型店について
三店舗も本当に来るのか。
五城目の向かい合うような大型店舗2店が、それぞれ成り立っているのをみると心配するのはどうだろうか。やりたいという人がいれば応援するのが私たちではないかと思う。
現在の進捗状況は、どうなっているのか。
いずれも平成19年オープンを目指し、進めている。地元購買率が低く、市外に行っているのをできるだけ早く引き戻したい。既存の商店街は大型店舗にはない専門のノウハウを使って独自の良さを活かせば空洞化することはないと思っている。
従業員(パート)の身分保障について。
関係法令に抵触しないのであれば行政関与の及ばないところだが、市民に不利になるようなことがあれば命をかけて守りたい。
多賀谷 専一
(順位2-2)
出生率増加対策について
人口減少を市長はどうとらえているのか。
どんな対策を考えておられるのか。
少子化対策は雇用の確保が大事。その中でも製造業に力点を置きたいと思っているがなかなか進まない。現在は雇用を伸ばすのは大型店舗だと考えている。ここで育って、ここに住んでよかったと永続性のある福祉、老後を安心して送れるよう進めたい。一生を通して考えなければならない。
全国に先駆けて、専門チームをつくり北秋田市ならではの対策を打ち出すべき。
今の段階で他市より劣るとは考えていない。県の事業に市独自に上乗せしている。専門チームについては十分考えたい。
玉川森吉線について
奥森吉と玉川の観光ルートの新設を。(鹿角市と北秋田市の期成同盟会を設立しては)
大変可能性がある。実際のところあと4.2km。鹿角市だけでなく田沢湖とも関係しているので、今後働きかけて期成同盟会を設立したい。
工藤 敏雄
(順位2-3)
指定管理者制度について
2003年6月に地方自治法が改正され、「公の施設」の管理に、「指定管理者制度」が導入されました。来年9月までに、自治体は条例を改正し、新制度のもとで管理者を選ぶか、直営かを決めなければならないとされています。
指定管理者制度の対象外になるものについてお伺いします。
地方自治法上、公の施設は「住民の福祉を増進する目的をもって、その利用に供するための施設」となっている。庁舎等は住民の利用に供するものではないので対象外。また、当市にはないが、公営競輪場、競馬場などは地方公共団体の収益のための施設であるため、住民の福祉の増進を目的とするものではないので対象外である。
個別法で管理権限のあるものについてお伺いします。
学校教育法、道路法、河川法などは、それぞれ管理者が法定明記されているので適用にならない。
指定管理者の選定等、この条例に明記する事項についてお伺いします。
地方自治法上、条例には指定管理者の指定の手続き、指定管理者が行う管理の基準及び業務の範囲、その他必要な事項を定めなければならないとある。当議会に上程しているので審議願いたい。
介護保険事業について
介護保険制度の見直しをする法案が、この6月に成立しました。厚生労働省は同月27日、全国介護保険担当課長会議を開き、食費・居住費の10月1日徴収に向け、低所得者の減免申請の受付など市町村への指示を行いました。具他的には住民にどのようなサービスを、どれだけ提供するか、最後に決めるのは市町村等の「介護保険事業計画」で、事業計画は「実質9ヵ年の長期計画を策定する必要がある」と説明しています。また、「新予防給付」の実施は、原則的に来年4月とされていますが、市町村等の準備ができるまで、2年間、開始を遅らせることも可能とされています。
保険料の段階区分の変更と北秋田市の対象者の状況についてお伺いします。
5段階から6段階に変更される第2段階が二つになり、市町村民税非課税世帯であって、課税年金収入額と合計所得金額の合計が80万円以下が新第2段階。80万円を超え266万円未満が新第3段階となる。第1段階215人、第2段階5317人、第3段階6101人、第4段階1135人、第5段階498人の合計13,266人に対して賦課している。
介護3施設等の居住費・食費が保険給付から外され、全額自己負担となります。市の状況についてお伺いします。
介護保険制度の改正に伴い、同じ要介護状態であれば、施設と在宅において給付と負担は公平であることが求められるという趣旨から、10月から介護保険施設の給付費等の見直しが行われる。居住費及び食費については保険対象外となり、全額自己負担となる。ケアタウンを一例にすると、利用者負担新第4段階かつ要介護5の場合、これまで入所30日当たりの利用者負担56,640円が、見直し後には130,560円の73,920円の増となる。もりよし荘の場合は月に27,000 円程度の増と予想される。困ったもので利用者が選択できるということで対応するしかないのではないだろうか。
低所得者には負担上限が設けられます。市の状況と低所得者に対する市の支援策についてお伺いします。
<福祉事務所長>
市としては、この負担限度額設定が低所得者に十分配慮された措置であると受け止めている。これ以外の特別な支援策は特段考えていない。
措置制度の入所者は、軽減を今年4月から5年間延長されます。市の対象者の状況についてお伺いします。
<福祉事務所長>
平成17年度は76人の旧措置入所者がおり、うち実質的負担軽減者は52人となっている。
地公法22条について
6月議会の私の一般質問で、市長は一般職の採用について「条件付採用の6カ月は支所長の採用には該当しない」と答弁されました。地方公務員法22条の理解について、再度、市長の基本的な考え方についてお聞きします。
現在の臨時職員の位置付けと今後の身分保障計画についてお伺いします。
法第22条第1項中、「条件付採用」の適用除外について、明確な根拠を示していただきたい。
<総務部長>
現在の臨時職員は、身分や雇い入れの形態が不安定な状態にある。今後、職員数の見直しやあるべき臨時職員の姿を検討し、議論を重ねていかなければならない。条件付採用の適用除外は、人事院規則8−12第26条に条件付任用期間に該当しない旨の内容が規定されている。さらに規定に基づいて指定される場合が定められている。
米澤 一
(順位2-4)
大型店の出店と地域経済の影響について
雇用ができるという根拠は。
地域商店にはどんな影響があると考えているか。
過去の旧鷹巣町議会が大型店出店についての陳情を採択しているが、それに対してはどう考えているか。
大型店舗事業者によると800〜1000人の雇用を示されている。平成16年度旧鷹巣町の調査結果を見ると最寄品の地元購買率が51.8%。流出先は大館市35.7%、能代市6.0%、秋田市1.1%、弘前市0.8%。買回り品の地元購買率は23.6%。流出先は大館市57.2%、能代市8.3%、秋田市3.7%、弘前市2.0%。店舗形態別購入割合は最寄品で大型店76.6%、専門店6.6%、一般商店7.7%、通信販売3.0%。買回り品は大型店56.1%、専門店35.0%、通信販売4.5%、一般商店3.8%。市内に大型店が出店されたとしても、すでに市外の大型店を利用している消費者の移動によるものがほとんどで、地域商店への影響は軽微なものにとどまると推測している。地元商店は対抗できるように新しい知識をつけ、後継者が帰ってきて活かしてほしい。
国保税をはじめとする滞納について
滞納している市民は旧地域ごとにどれくらいおられるか。
滞納世帯数は、旧鷹巣599世帯、旧合川127世帯、旧森吉135世帯、旧阿仁45世帯、計906世帯。
その滞納者の所得をどのように把握しているか。
申告により把握している。無申告者は前年の所得を参考に算定している。
減免申請に対しては、どのような対応をしているか。
市の規則に従い申請内容の確認及び調査を行っている。訪問等で現状把握に努め、作業を進めている。申請件数は6件。
介護給付費等貸付基金の運用はどれ程あるか。
合併後の貸付申請は、国民健康保険税の納付を目的とした1件。旧町からの貸付基金全体としては、貸付件数118件、貸付総額16,107,898円。
農業後継者に対してどのような政策があるか
旧鷹巣町時代は新規の農業者に対して、三年間補助を出して育成を考えていたが、これに変わる対応があるのか。
補助金をつければいいというわけではない。若者に農業の良さを伝え、付加価値をつける何かしらの取り組みやイベント性をもたせた事業をやっていきたい。
図書整備について
旧町ごとの蔵書数はどれくらいか。
利用者の現状つかんでいるか。
これからの図書館に対する考え方は。
蔵書数は、合川16,954冊、森吉33,326冊、阿仁約15,000冊、鷹巣52,705冊。利用者数は、合川1,117人、森吉3,221人、阿仁164人、鷹巣13,258人。今後は、それぞれの地域性を活かし特色ある図書館にしたい。小さくても気持ちのいい図書館だと言われるよう努める。
学校統合について
この地域の過疎化の進行に歯止めをかけるためには高校の存続が必要である。
統合に対する県の考え方に対してどう考えているか。
北秋田地区高校統合協議会の答申が来るが、議会にも審議いただく。
簾内 順一
(順位2-5)
市長の政治姿勢について
議会の本会議はリアルタイムで各支所へ放映し、市民が傍聴できるシステムを創ること。
500万円〜1000万円程かかる。来年度事業として検討したい。
行政改革の基本は人、人材だと思うので、年1回の人事異動にとらわれず、途中でもどんどん行うべきと思うが。考え方を問う。
職員をシャッフルし、持ち場を1年に何回も変えるのは機能的に良くないのではと最近思う。阿仁は阿仁という考えはない。支所間等の人事異動は考える。
指定管理者制度を導入し、管理契約できる見通しの事業は、どれぐらい予想してるのか。
レクリエーション・スポーツ施設については、国民宿舎「森吉山荘」、打当温泉マタギの湯など、産業振興施設は有機センター、阿仁の道の駅など、医療社会福祉施設は子育てサポートハウス、特別養護老人ホーム森泉荘、ケアタウンたかのすなどを移行可能な施設として検討していきたい。
福祉公社の経営について
17年度も半分過ぎようとしているが、市繰出し金約8200万円で充分経営できる見通しが立ってるのか。
新規事業、ホームヘルパー派遣、社協と競合すると思うが、成果はどうか。
公社の月例報告、備品更新等、理事会及び理事長の報告はどうなっているのか。
<福祉事務所長>
たかのす福祉公社では市からの繰出金予算額に沿った事業運営に取り組み、今年度は計画にあう収支にできる見通しだと報告を受けている。一般会計からの持ち出し8,200万円の予算の範囲を超えた支出はないものと考えている。議員ご指摘のベッド等の備品更新は、十分な協議をしなければならない時期にきている。
福祉行政について
病院を阿仁支所1Fに移転する案。
市立阿仁病院を阿仁支所に隣接する山村開発センターを利用できないか検討したい。病室を設置するとなると5000万円位かかると思う。病院運営協議会で審議したい。
前田南、小渕間にプラットホームだけの大岱駅を設置する。鳥坂、大渕、白坂、根小屋はどうか。
大岱駅については可能性があり、検討中である。
各支所職員、本庁、どんどん異動シャッフルし、定期券を支給する。多分通勤手当は拡大するだろうが直接内陸線に補助するよりは良いと思うが。
各支所方面から本庁へ来ている職員72人に定期券を支給すると7,538,340円の増となる。
春日 一文
(順位2-6)
公立米内沢病院の医師確保と医療行政の再検討について
米内沢病院存亡の危機・意志確保は緊急課題!
医師不足により入院患者が激減し、減収による大幅赤字は必至で、最低限2名の内科医の確保が必須。大学からの派遣は事実上困難といい、広く市民に呼びかけて地縁・血縁による医師の招聘を提言するが、どうか?
医師の確保に全力を尽くしている。何とか早期に内科医と精神科医を確保したいので、お力添えをいただきたい。
市内医療機関の再編、再検討について
阿仁病院も来年度以降の医師確保が危ぶまれ、極端な医師不足時代に多額の赤字を抱えた市内2病院1診療所の共存は不可能。また、新病院ができても医師が居なければ機能しない。統合病院を含めて市内医療機関の再編・再検討が急務と思うが、医師不足下における医療機関についての市長の識見を尋ねる。
地方の医師不足は全国的なものになっている。阿仁病院の来年度の県からの医師派遣に確約を得ていない。新病院が地域医療支援病院になれば、1次医療として、係りつけ医師として地域医療が成り立つと思う。
患者離れ対策に「市長診察日」を
今までは院長の人柄で患者を確保していたが、今は常勤医一人のみで多忙のため患者との意志疎通も困難。短期交代の非常勤医による診療体制では患者離れが進行し、ますます経営が悪化する。地域の医療機関としての信頼性を繋ぎとめるために「市長診察日」を設けては?
ピンチを救えるのであれば、激務だけれども是非診療に伺いたい。院長が病気になったときも手伝いたいと思った。いざというときは、皆さんの許しを得て行う。
地域環境を考慮した生活排水処理事業の導入について
小規模集落への生活排水処理事業の導入について
市街地は公共下水道、農業集落では農業集落排水事業を導入し、管理運営まで行政が行っているが、小規模集落は個人設置の合併処理浄化槽で不公平。農水省の「簡易排水事業」、総務省の「小規模集合排水処理施設整備事業」、環境省の「浄化槽市町村設置推進事業」等の導入により、下水道・農集以外の小規模集落への事業化を!
浄化槽市町村設置推進事業の促進について
阿仁地区で既に事業化しているが、個人設置の合併浄化槽に比較して個人負担が少なく、計画的・面的に毎年20戸以上整備でき、市が管理運営するため法定検査も確実。環境省も推進しており、積極的な導入を期せ。
合併処理浄化槽設置地域の排水路改良について
排水路未整備地区が多く、処理水が側溝や農業用地水路に放流されるためBOD、SSはクリアできても悪臭公害や農作物への影響が懸念される。合併処理浄化槽設置地域での排水路の改良整備を期せ。
今年度は旧町を継続したが、抜本的に再構築したい。
<建設部長>
どれが財政的に有利か、いろいろなメニューを検討したい。排水路の臭いは可能性があり、現状を把握し、新設も含めて検討していきたい。