2005年09月16日
コンテンツ番号5059
就学前乳幼児医療費(個人負担分)は無料化を示唆
〜第4回議会9月定例会一般質問(3日目)〜
第4回北秋田市議会9月定例会の本会議、一般質問の3日目が9月16日(金)、北秋田市交流センター(市議事堂)で開かれ、6議員が一般質問を行いました。
この日も、過疎や少子化対策、地域振興対策などを問う質問が多く、熱のこもった質疑応答が交わされました。うち、秋田内陸線の利用促進について岸部市長は、生活路線、観光路線として欠かせないものであることから、利用促進に向けて積極的にアイデアを出し合い、利用推進を図るが、高校生の定期券の補助については、赤字解消にはならないことなどから、今後の検討課題としたい、と回答。
また、県の「子育て支援事業」の見直しに伴い、就学前乳幼児の医療費の個人負担が有料となったことについては、少子化対策の見地からを無料化に戻したい、との考えを示しました。
その他、本日の一般質問と答弁の要旨は次の通りです。
松橋悦治(順位3-1)
1.支所機能の充実について
合併後6カ月、市民サービスの最前線である支所機能の充実、安定化に取り組むとした市長の現在の所信はいかに。
【答弁】
各支所については、窓口業務のみならず住民に身近な行政サービスを展開する「総合支所」
の体制だ。定例として市長が出向く「市所長会議」を行い、それぞれの状況を把握しながらの業務の遂行を図ってきているので、今後も、この会議を通して問題点の解決をかはり、円滑な行政運営と温かい市民サービスができるよう努めて参りたい。
2.市内各国道、各集落入口の案内板の取替えについて
国道の案内板が従来までの町名が入ったままである。早急な対応を求める
旧町の各集落入口の案内板がと同様に書き替えになっていない。対応はいかに。
【答弁】
案内板については、国直轄の国道のものを除いて、まだ旧町名のままとなっている。秋田県で管理するものについては、県の今後の市町村合併の関係もあって、その全体的な調整を待たなければならないが、集落等の入り口にかかる看板等、市で対応しなければならないものについては、早急に立替えの計画を立てて取り組みたい。
3.郷土芸能大会の開催について
市内各集落で保存継承されている郷土芸能(仮称駒フェスティバル)の競演が可能か否か
【答弁】
市内各地で保存・伝承されている数々の郷土芸能は、大変貴重な市の財産であり、大切に継承されるべきものと認識している。先週に市文化会館で開催された「秋田県民俗芸能大会」も大変有意義であったと思う。感想として、この北秋田市版ができたら素晴らしいことと思ったので、是非、提案されている競演会等の開催を関係団体と協議して検討したいと考えている
泉 一雄(順位3-2)
1.少子化対策と結婚について
児童手当を義務教育終了までの延長の考えは。
【答弁】
現在の児童手当は、児童手当法に基づき、国、地方公共団体及び事業主の3者負担による財源で賄われている。本制度も全国において時代的背景をもとに改正がなされている現状故、市でも、この制度に沿った支給を継続したいと考えているが、他市町村において、この制度とは別に独自の支給を行っていないかなどの調査として検討したい。
高校生に対し、内陸線の定期券の全額助成の考えはどうか。
【答弁】
高校生を持つ世帯の通学費(内陸線利用通学)の負担が多いのは理解しているが、提案とする市の補助はあまりにもその財政負担が大きいものになってしまう。内陸線の赤字対策の面からも、秋田県とも同様の助成制度のあり方を相談しては見たが、赤字問題の解決にはならないし、同業のJRとの係わりも考慮する必要が出てくるなど課題が多い。もっと研究しなければならない。
新市、未婚者の結婚難の解消策があるのか。
【答弁】
泉議員が調べた市内の独身男女(20〜40歳代)4,200人余りというのは大変な数だが、結婚推進策として、男女の出会いとなる交流イベントなどの企画が良いと思う。そのためには、何らかの若者のグループの組織立てが必要と考えるので、もう少し時間をいただいて、この点をじっくりと検討、研究してみたい。
2.市道椈森線の改良について
県道昇格促進運動の実施の考えは。
県代行事業として早期改良の見通しはどうなのか。
【答弁】
県道昇格運動については、田沢湖町と協議のうえに、関係機関との組織体である「ブナ森トンネル交流ふれあい計画検討委員会」を母体に、再度、秋田県に整備推進のための働きかけを行って参りたい。
また、県代行事業については、県(北秋田地域振興局)との協議を行なったものの、財政難等を理由に代行することは出来ないとの回答だったので、難しい状況と考える。
3.森林(もり)づくり交付金の創設について
国の事業で平成17年度〜21年度までの5年間で「ソフト・ハード」推進整備事業に対する交付金が創設されていると伺っていますが、北秋田市の対応と今後の対策はどうなっているのか。
【回答】
農林水産省の補助金である「森づくり交付金」と「強い林業・木材産業づくり交付金」は森林の整備・保全と山村の再生及び、林業の継続発展の推進を目的としたものであるが、今後市では、県の関連する各種のハード事業ともリンクさせて、地域のニーズに応じた森林の整備拡充や林業・木材産業の振興のために努力を続けて参りたい。
中嶋 力蔵(順位3-3)
1.遊休市有地の利活用について
旧鷹巣町が旧営林署から購入した苗畑の跡地ほか貯木場用地も含めて、今後の利活用をどのように考えているか。併せて、ケアタウン敷地内の残地についても。
七日市方面にある20年位前から工業団地用地として取得された土地に対する考え方と活用方法は。
旧合川町地内にある工業団地用地の残地は、どれ位あるのか。また、この用地に対する考え方は。企業誘致に対する予算措置も見えないが。
【答弁】
旧営林署から購入した苗畑跡地、貯木場用地及びケアタウン用地の残地と七日市地域の工業団地用の土地など、旧鷹巣町においては企業誘致を目的とする立地条件の良い遊休地があるので、企業の誘致へ向けて頑張っていかなければならないと考えている。
大野台工業団地の工業用地の残地は17ヘクタール。木材加工業関連の企業の進出なんかが良いのではないか。いろいろな業種の工場進出として有効に活用されるべく検討を進めて参りたい。
その他、旧森吉町、旧阿仁町にも遊休の市有地はないか。あるとしたら利用をどのように考えているか。また、どれ位あるのか。
【答弁】
合川町を含めた旧3町においては工業用地、宅地等の供給、ペンション等の観光振興へ向けた土地造成など、 それぞれの目的のもとに進められてきたものであるが、いま一度、市全体として見渡してみる計画の練り直しが必要と考える。遊休の土地そのものに付加価値をつけるなどの工夫も必要になってくる。皆さんからも広くアイディアをいただきたいと思っている。
2.市営住宅の改善を求める声もあるが、その考えは(南鷹巣地区)
南鷹巣地内の住宅には、昭和46年度の建物もあり老朽化が進み大変のようだ。
【答弁】
市営住宅の老朽化の問題は、市の他地域にも存在していることなので、それらを調査して、市営住宅の全体を視野に入れながら住宅マスタープランを作成したいが、民間住宅の活用も考慮した建て替え計画をまとめたいと考えている。
集う所も老朽化されて地元の方々も困っている。何かよい改善策はないものか。
【答弁】
地区の集会施設である「南鷹巣会館」の建て替えは、前述の市営住宅の建設(建て替え)と同時に進めるという方向が良いと考えている。平成19年度からの市の過疎地域自立促進計画に盛り込んで行いたい。
3.中央公園の整備を
特にトリムランニングコースの全面舗装を。
地域住民の健康維持の点でジョギングコース及びウオーキングコースにもなっている。(現在は2300mの内650m位は舗装されてはいるが)
【答弁】
ランニングコースの全面舗装については、これまでも多くの提案等をいただいてきたが、中央公園全体の景観を維持するなどの適正な管理も必要。多くの市民の皆さんが親しむことの出来るよう、現在のコースと自動車道路とを区分できるような抜本的な公園整備計画を立てて、前向きに対処したい。
加藤寿(順位3-4)
1.観光行政について
近年〜現在の観光客数と宿泊率。
【答弁】
旧4町の平成12年中の観光入込客数は152万9千人、13年が155万9千人。14年が157万9千人。宿泊客数は12年が5万9千人、13・14年が6万人、15年は台風や地震の影響もあり5万6千人と減少した。宿泊客については、トレッキングブーム等により、県内70%、県外30%の割合でゆるやかに増加している。
の状況について、どう分析しているか。
【答弁】
全体的には横ばい傾向だが、通過型観光から滞在型観光へと移行しつつあり、徐々に経済効果も出始めていると考えている。
現在の(観光客増のための)活動状況
【答弁】
まだまだPRが不足している。わか杉国体や全国植樹祭などの機会も利用し、積極的にPR活動を進めたい。また、森吉山麓の大印展望台など、リピーターを招くような景勝地などの再開発も検討し、滞在型観光の推進につなげたい。
今後の対策と目標値。
【答弁】
当面は平成15年の159万8千人の20%増加を目標としたい。
2.新統合病院について
基本計画の進み具合は。外来患者の減少により、収入が増えず、経営に影響するのではないか。
【答弁】
基本計画は全協で示したとおり。地域支援病院として認められるかはっきりするのは1月になるが、実現すれば、外来患者は基本的に一次医療となり、検査と入院などが中心となる。結果として医療費の単価が上がり(約2倍)、また医師や看護師などスタッフの配置を抑えられ、人件費の抑制にもつながる。試算ではおよそ2億の削減が可能とも言われている。
周辺も含めた全体のイメージ図を作成し、公表する考えは。
【答弁】
周辺は県有地や私有地が混在し、市が勝手に計画を立案することはできないが、市としてできる部分だけでも早急に計画を示したい。
3.福祉行政について
福祉政策の基本的スタンスについて説明を。
【答弁】
一時的なものではなく、継続的に均質なサービスを提供することが大切だと考えている。
身の丈に合った福祉とは具体的にどのようなレベルの福祉か。
【答弁】
「身の丈に合った」とは、介護保険について言ったことば。たとえば、介護保険施設の月30日当りの利用者負担額は要介護度5の場合、森吉荘は8万円ほど、ケアタウンは13万ほどだが、ケアタウンのように、居室の構造が8人のユニット形式(個室)であるなど立派過ぎては基準費用額が高くなるため、その結果負担額も高くなる。みんなで決めたやり方である「保険料の範囲内で」運営していくべきであり、それが永続的なサービスの提供につながる。
板垣淳(順位3-5)
1.少子化対策について
少子化を克服するためにも、就学前乳幼児の医療費(個人負担分)は無料に戻すべきではないか。
【答弁】
県の「子育て支援事業」の見直しに伴い実施したもので、小学校から中学校卒業までの入院については全額助成するなど独自の上乗せも行っている。就学前乳幼児の医療費の個人負担を無料化することも実施する方向で考えたい。
小林精一(順位3-6)
1.人事について
収入役、監査員の早期選任について。
【答弁】
収入役についての案件を20日の本会議で上程の予定。監査委員については、20日に内示、最終日に上程の予定。
国体準備室の体制の充実強化について。
【答弁】
19年わか杉国体に向けて、現在の態勢はまだ十分ではない。今後も実態を見据えながら、関係団体等と協議の上、人事配置を検討してまいりたい。
社会教育(公民館、体育、文化財)の充実。
【答弁】
公民館・体育館の職員体制については、内部で調整を図りながら住民に不便をかけないよう努力したい。文化財保護については、生涯学習課や関係機関とも連携を取りながら保護に努めたい。
各種委員会人選の公平性と適正化。
【答弁】
市には多種多様の協議会や組織があるが、人選にはできるだけ地域バランスにも配慮するよう務めている。
2.内陸線について
存続に向けての基本姿勢と抜本策について乗車運動対策の確立と推進
【答弁】
採算性だけ存続を判断すべきとは考えていない。内陸線は生活路線、観光路線としても不可欠であり、なくしてはいけない路線。ただ、乗らなくなったから「自分たちでお金を出し合う」というのではさびしい。まずみんながアイデアを出し合い、乗客を呼び込み利用者を増やすべき。私もいくつかのアイデアを考えた。みなさんからもぜひアイデアを提供してほしい。
内陸線再生計画の策定。
【答弁】
南側の市町村(角館町、西木村、田沢湖町)とは計画に温度差があるが、これは赤字があるからで、好んで存続に反対なわけではない。2町は残す方向を検討している。今後も計画に同調して進めていただくよう努力したい。
内陸線商品購入券の販売促進。
【答弁】
市職員の購入額が少ないとのことだが、これからも買ってもらえるよう働きかけたい。
3.森吉山スキー場について
存続に向けての対応策について。 スキー場存続対策調査特別委員会の役割。夏季利用客(ゴンドラ)増員対策の推進。 予測される改革案と情報の把握。
【答弁】
コクド本社への陳情などを行い存続に向けて務めている。現在コクドでは、阿仁スキー場が夏季営業、森吉スキー場が冬期営業とする計画を改革委員会へ提出している。阿仁スキー場の冬期営業については、コクドとしては、固定資産税や借地料、除雪費なども負担になっていることから、月額350〜400万ほどの補助があれば2月1ヶ月間のみのの運行は可能との解答を得ている。夏季のゴンドラ運行については県外での知名度も高まりつつあり利用者の増加に務めたい。また、誘客にはエージェント(旅行代理店)との連携が不可欠であり、積極的に接触する機会を作りながらPRを行ってまいりたい。
4.観光産業について
通年観光の再構築。 イベントの復活と充実。 施設の整備(花しょうぶ園)
【答弁】
合併の結果、阿仁地区のイベント(川下り)や施設(しょうぶ園)が寂しくなってきたとのことだが、合併はみんなの総意であり、みんなでアイデアを出し合って良くしていくべき。
5.地域活性化対策について
合併後の阿仁地区の実状と活性化について。
【答弁】
合併の翌日に転出された方がいらっしゃったとのことだが、必ずしも合併の結果ではないのではないか。いずれ、地域の観光資源等を活用し、合併による交流人口の増加を図りたい。