2005年08月05日
コンテンツ番号5046
「浜辺の歌」がホールに響きわたって
〜加登萌々子ヴァイオリンリサイタル〜
現在ロシアで音楽を学んでいる加登萌々子のヴァイオリンリサイタル(北秋田芸術鑑賞協会主催)が8月5日(金)、市文化会館で開かれ伴奏を務めた早川枝里子さんのピアノとともに、二人の若手演奏家のフレッシュな演奏が詰め掛けた聴衆を魅了しました。
加登さんは、1985年生まれの19歳。昨年3月に都立芸術高校を卒業し、現在ロシア・チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院在学中の若手ヴァオリニスト。4歳からヴァイオリンを始め、2002年国際コンクール「教師と生徒」(モスクワ)優勝などの経歴を持っています。
昨年8月には、母方のおばあさんが北秋田市出身(旧鷹巣町)であることから、ロシアへの留学を控えた8月、自分の音楽を祖母のふるさとのみなさんに聞いてほしいと同ホールで初のリサイタルを開いています。
ピアノの早川さんは1983年新潟生まれの22歳。桐朋学園大学女子高等学校を卒業後、同大学ディプロマコースを経てモスクワへ留学、加登さんと同じモスクワ音楽院に在学中です。
開演のブザーとともに鮮やかなブルーのドレスで加登さんが登場、昨年より一段と大人び、洗練された雰囲気で聴衆の目をひいていました。最初に演奏されたのはいろいろな国の舞曲をもとに作曲されたという「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番(J.Sバッハ)」。伴奏はなく、ホールは加登さんの奏でるヴァイオリンの音色だけが響きわたり、一気にヴァイオリンの世界に引き込まれました。
続いて、早川さんがピアノソロでショパンとロシアの作曲家プロコフィエフの曲を披露、華麗なテクニックに会場からはため息が漏れていました。
この後休憩をはさみ、早川さんの伴奏で加登さんが「ロンディーノ(ヴュータン)」「ヴォカリース( ラフマニノフ)」 「瞑想曲(グラズノフ)」「華麗なるポロネーズ第1番(H.ヴィニアフスキー)」などを次々と演奏、女性演奏家による柔らかで繊細なヴァイオリンの調べに会場はうっとり。
また、プログラムの最後には主催の市芸術鑑賞協会会長を務める米澤潤氏が賛助出演、氏の演奏するホルンとピアノとのアンサンブルも披露、器用な一面も見せていました。
終演ではアンコールに応え、映画音楽の「シンドラーのリスト」と北秋田市ゆかりの曲「浜辺の歌」を演奏、浜辺の歌では、加登さんが会場に「どうぞご一緒に」と語りかけると、ホールには演奏に合わせて歌声が響きました。
演奏の途中では、リサイタルに合わせて会場に駆けつけたという、加登さんが幼少時に学んだ学校法人常葉学園(神奈川県静岡市)の木宮和彦学園長がステージに登場、当時のことなどを懐かしく語る一幕もありました。
会場を訪れたファンからは、加登さんが市ゆかりの演奏家であることなどから、この後もぜひ加登さんの演奏会を企画してほしいとの声も聞かれました。