2018年02月19日
コンテンツ番号3260
未来をつなぐ高速ネットワークの早期実現を目指して
(2018年2月19日)
「秋田県北地域の今後の地域展開に関する意見交換会」が、2月19日(月)に市民ふれあいプラザで開催され、日本海沿岸東北自動車道(日沿道)の整備進展を活かした新たな取り組みなどについて意見を交わしました。
この意見交換会は、日沿道の開通を見据えた地域戦略の構築と地域連携の取り組みなどを話し合うために行われたもので、今回で7回目の開催。今回は関係者のほか一般市民約250人が参加し、フォーラム形式で行われました。
この日の意見交換会には、津谷市長、齊藤滋宣能代市長、福原淳嗣大館市長のほか、県北秋田・山本各地域振興局、秋田経済同友会、大館・能代各商工会議所、大館青年会議所から関係者が出席。
はじめに開催地を代表して津谷市長が「3月21日に大館能代空港ICから鷹巣ICが開通する。大館能代空港ICは、空港に直結しているため、物流や交流人口の拡大など、地域経済の活性化が大いに見込まれる。また、空港開港20周年の節目に開通が重なったことは大きな喜びである。この意見交換会は、秋田経済同友会の呼びかけで7回目の開催となる。これまで県北地域の地域展開について様々な議論を重ねてきたが、今後はより地域連携の重要性が増すとともに、様々な可能性が広がっていくものと思っている」などとあいさつを述べました。
続いて、先日現場見学会を行った鷹巣小学校5年生が「高速道路開通による北秋田市の未来」をテーマとした作文を発表し、「たくさんの人に親しまれる高速道路になってほしい」「ふるさとのこれからについてみんなで考えていきたい」などと今後の思いを語りました。
パネルディスカッションは2部構成で行われ、第1部は「これまでの高速ネットワークの利活用と効果」第2部は「これからの高速ネットワークの利活用について」をテーマに議論をしました。
このうち、津谷市長は「空港に直結した高速道路が開通することによって、小型バイオマス発電施設を組立・販売する企業の進出など企業活動が活発になってきており、大きな期待をしている。また、北秋田市は、森吉山や縄文遺跡、マタギ文化などがある自然型観光地である。日沿道が整備され、東北自動車道とつながることにより広域観光ルートが形成される。北海道・北東北縄文遺跡群や世界三大樹氷の交通ルートがスムーズになる。今後私たちが取り組まなければならないことは、日沿道から地域内へのアクセスをよくすること。たくさんの素材がある中で様々な場所やものに結びつけるために、交通体系や移動手段の改善をしなければならない。今後も皆さまの力を借りながら取り組んでいきたい」などと日沿道がもたらす大きな可能性について述べました。
齋藤能代市長は「日沿道の全線開通を見据えた政策課題が3つある。1つはリサイクル産業の振興と県北エコタウンを上手くマッチングさせ、リサイクルポートである能代港を有効活用できるようにすること。2つ目は能代港を洋上風力の拠点港として活用すること。3つ目は道の駅ふたついの観光・防災面の拠点としての整備。自らのふるさとを元気にするためには、県北地域の住民ひとりひとりが重大な課題だと認識し、協力し合うことで夢は実現すると思っている」などと県北地域がひとつになって取り組むことの重要性を訴えました。
福原大館市長は「日沿道を利用した目標が2つある。1つは東北に来るインバウンドを3倍にすること。2つ目は東北が持つ『こと』づくりと『もの』づくりの持つ幅をさらに広げ、外貨を稼ぐ力を持つこと。現在インバウンドの伸び率が一番大きいのは青森県。青森に来たインバウンドを、日沿道を利用して秋田にきてもらうよう考えていかなけれなならない。また、大館市にはロケットの燃料噴射試験場がある。エネルギーのまちを目指す能代市に液体水素を作っていただき、日沿道を用いて大館の試験場に運んで来れるようにできればと考えている」などと大館市がこれから取り組むべき方向性を示しました。
最後に、秋田経済同友会の那波三郎右衛門代表幹事が「3市長が熱く語ったように、秋田には熱と夢がある。熱意あるリーダーのもと、地域住民が一体となって取り組むことができれば日沿道の早期全線開通が実現すると確信した。経済同友会としてこれからも下支えをしていきたい」などと述べました。