2005年07月23日
コンテンツ番号4963
〜森吉コミュニティセンター・市文化会館「寄席演芸公演」〜
(社)落語協会による寄席演芸公演が7月23日(金)、森吉コミュニティセンターと市文化会館で開催され、詰め掛けた観衆が、落語や紙切り、曲芸などで江戸の粋(いき)の文化を堪能しました。
この公演は、地方の人々にも寄席演芸の魅力を知ってもらおうと(社)落語協会が文化庁の支援を受けて行っているもの。東北地方では7月12日から公演が始まり、北秋田市では平成17年度の自主事業として2カ所で開催されました。
うち午後6時30分から行われた市文化会館の公演では、はじめに落語の入船亭扇遊(いりふねてい せんゆう)師匠が、軽妙なトークを交えながら、寄席で落語家が登場する際の「出ばやし」について説明しました。
三味線の田中ふゆ師匠が、林家正蔵と襲名前のこぶ平、また会場からのリクエストで桂歌丸や立川談志など著名な落語家の出囃子を披露すると、その落語家のイメージが見事に浮かび上がる「演奏」にお客さんらも感心しきり。
この後、柳家太助、古今亭菊朗の落語、林家正楽の紙切り、鏡味仙三郎(かがみ せんざぶろう)社中の太神楽・曲芸が披露され、会場は一気に寄席のムードに包まれました。二つ目の柳家太助、古今亭菊朗はそれぞれ古典落語の「桃太郎」と「まんじゅうこわい」を一席。紙切りでは翔け馬や傘を差す娘など、江戸伝統の職人芸が披露され、特に「鷹巣の『鷹』を」という会場からのリクエストに正楽師匠は「木立に止まる鷹」という作品で応え、会場から感嘆の声が上がっていました。
曲芸では、鏡味仙三郎師匠がお弟子さんの仙一氏と登場し、傘で鞠や枡を回す、口にくわえた扇子に「どびん」を載せて回すなど、華やかさいっぱいの江戸伝統の曲芸「太神楽(だいかぐら)」で会場を沸かせてくれました。
トリは、入船亭扇遊師匠による古典落語の名作「妾馬(めかんま)」の一席。ストーリーは、下町の長屋に住む八五郎が、妹が大名に見初められ側室として大名屋敷に仕えていることから殿様に招待されるが、地むきだしの会話で側近の者や殿様ととんちんかんな会話を交わす、といった話。滑稽なやり取りの様を登場人物がその場にいるかのように語る絶妙の話芸で、会場は大きな笑いの渦に引き込まれていました。