2006年11月12日
コンテンツ番号4769
〜鷹巣小学校PTA講演会 『お仕事体験ゲーム』〜
鷹巣小学校(出川幸三校長、児童数366人)で12日、「仕事の喜びや苦労がわかる『お仕事体験ゲーム』」と題した講演会が行われ、この中で児童らが飲食物を売ることを想定した販売実習を体験しました。
主催は同小PTA(北林丈正会長)。講演会は、子どもたちにものづくりや販売実習などを通して、社会や経済の仕組みについて関心をもってもらおうとPTA文化部が企画したもの。開催にあたっては、平成17年度から大館市内の小学校でのキャリア教育に関わっている専門家に講師を依頼しました。
講師はNPO法人金融知力普及協会上席研究員の水谷昌弘氏と、李英雄氏。両氏は、沖縄県名護市と大館市で経済産業省が推進する「地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクト」に携わっている方です。
講演会には、同小の3年生以上の児童と父兄、地域の皆さんが参加しました。講演会でははじめに水谷氏が、平成17年からNPO法人「ひととくらしとまち大館ネットワーク(中田直行理事長)」が取り組んでいる『おおだて子ども未来づくりプロジェクト』の実践事例を紹介しました。このプロジェクトは地域の特徴的な産業を体験しながら経済活動を学び、職業観・勤労観を育むことを目的としたもので、大館市内の8小中学校10学年で経済学習や体験学習などを行っています。
水谷氏はプロジェクターを使いながら、米作りからはじめ、きりたんぽの販売に取り組んだ釈迦内小学校の事例や、秋田杉の木工品を作り、イベントで販売した桂城小学校の事例を紹介、自分たちで事業計画を立て、仕入れ、加工、広告宣伝、販売といった体験を通して、あいさつやコミュニケーション能力、計画実行能力といった社会人として必要不可欠な素養・能力を身に付けることが大切であることを語りかけました。
続いて李氏は、「仕事のやりがい、喜び、苦労などを感じてほしい」と、仮想の就業体験による「お仕事体験ゲーム」のやり方を説明。このゲームは、やきそばなど屋台の飲食物を販売することを想定、仕入れや価格設定、宣伝などをチーム別に実践し、売上(収益)を競うものです。
児童たちは、はじめに5、6人づつがグループになって42の「焼きそば」「焼き鳥」「たこ焼き」班に分かれ、各班同じに設定された50人分の材料費を確認しました。李氏は、「これからが問題。収益を上げるにはいくらで売ったらいいか、よく考えて。それに人をひきつける売り文句も必要」と問いかけに、児童たちは、頭をつき合わせながら、販売価格や宣伝方法を考えていました。
値段が決まると今度は、各グループが宣伝用のチラシを手に実際の「屋台」を想定しての販売合戦。「2つ買うと10%オフ」「タレがうまい!」などの宣伝文句とともにきれいに色が塗られたチラシを掲げ、大きな声で児童と父兄らの「お客さん」を誘っていました。
売上成績の発表では、仕入れ価格の倍以上の収益を上げた班もあれば、大赤字の班も。李氏の「たくさん売れた理由や赤字の理由はなんだったろう」との質問に各班の班長は、少し考えながら「進んで声をかけたから」「端っこで場所が悪かった」などと自慢や反省の弁を述べていました。
講演終了後、同小PTAの北林会長は講師への謝辞の中で、「ゲームを通じて子どもたちも商売についての感覚や関心が高まったと思う。この講演会が、仕事や職業について家庭で話し合うきっかけになれば」と述べていました。
(2006.11.12)