2006年10月10日
コンテンツ番号4731
「笑う岩偶」など貴重な出土品を公開〜弘前大学亀ヶ岡文化研究センター
青森県の弘前大学人文学部付属亀ヶ岡文化研究センター展示室で10日(火)から、ミニ特別展「森吉山麓の亀ヶ岡文化」が始まり、展示された精巧な土器や石器、遮光器土偶などの出土品が考古学ファンらの関心を集めています。
この展示会は、森吉山ダムの建設に伴う発掘調査によって明らかになった森吉地区の亀ヶ岡文化を紹介するもので、向様田(むかいさまだ)遺跡、二重鳥(ふたえどり)遺跡、桂ノ沢遺跡、白坂(しろさか)遺跡などの出土品や発掘状況の写真など500点以上が展示されています。
「亀ヶ岡文化」とは、縄文時代晩期(約3,000年前〜2,300年前)に北海道渡島(おしま)半島から東北一円にかけて盛行した文化のこと。青森県亀ヶ岡遺跡から出土した土器にちなんでこう呼ばれています。北秋田市周辺では、藤株遺跡、麻生遺跡、「笑う岩偶」が出土した白坂遺跡、そしてダム建設で発掘調査が始まった小又川流域の向様田遺跡ほかの遺跡が知られ、精巧な土器・土偶、仮面、岩版、石棒・石剣、漆製品、装身具など豊かな文物が出土しているのが特徴です。
今回の展示会では、白坂遺跡出土の「笑う岩偶」をはじめ、大型・小型の遮光器土偶、漆下(うるしした)遺跡から出土した「漆」が底に残っている状態の器なども展示され、地元北秋田市民でもなかなか目にする機会のないものも多く、森吉山麓の亀ヶ岡文化や出土品を知る絶好の機会となりそうです。
特別展が始まった10日、本市から観覧に訪れた森吉地区・根森田の三浦友治さん、キヌミさん夫妻は、「集落のそばから出たものもあり特別展の開催を聞いて真っ先に訪れた。これだけのものが出土しているのを知り驚いた。地元の人たちにもぜひ見てほしい内容」と、展示品にじっくりと見入っていました。
研究センターの藤沼邦彦教授は、「地元でも公開されていないものが多く、森吉山麓で進められてきた発掘調査の実績を知るまたとない機会。北秋田市からも、ぜひたくさんの方にお出でいただきたい」と、観覧をPRしていました。
展示期間は10月10日(火)から11月10日(金)までの1ヶ月間(期間中は無休)。公開時間は午前9時から午後4時まで。料金は無料。会場は、弘前市文京町の同大人文学部総合教育棟2階。お問合せは、市教育委員会生涯学習課(TEL:0186-62-6618)もしくは亀ヶ岡文化研究センター(展示会場内:0172-39-3190)まで。