2006年09月03日
コンテンツ番号4683
第1回北秋田市民俗芸能大会
北秋田市の郷土芸能を一堂に集めた「第1回北秋田市民俗芸能大会」が9月3日(日)、市文化会館で開催され、市内外から詰め掛けた満場の観衆が郷土色豊かな芸能の数々を楽しみました。
本市には、鷹巣地区から阿仁地区まで、たくさんの個性豊かな郷土芸能が伝承されています。しかし、一般には地区の祭典やお盆の時期、集落内で公開されていることから他地区の住民が目にする機会が少ないのが現状。また、後継者不足などの理由から廃れてしまった芸能も多く保存・伝承が課題にもなっています。
本大会は、市内で演じられている芸能を一堂に集めて市民に公開し、民俗芸能への理解と関心を深め、保存・伝承につなげることなどを目的として開催されたものです。
公演には、鷹巣地区から前山郷土芸能保存会、坊沢獅子踊り保存会、合川地区から福田獅子舞保存会、猿倉人形芝居、森吉地区から米内沢共勇会(獅子踊り)、五味掘餅搗踊り保存会、阿仁地区からは荒瀬獅子踊り保存会、比立内獅子踊り保存会の8団体が出演、見物客も各地域から訪れ、定員を上回る盛況ぶりでした。
はじめに、三澤仁教育長が「合併して1年、それまでは各地域・集落単位で演じられていた芸能を、こうして一堂に会して公開することになった。遠方から来ていただいた方も多く、座りきれないほどの入りとなり心から感謝申し上げたい。伝統芸能は貴重な文化。保存会の方々も努力しているが、私たちも関心を高め、大切に守っていく必要がある。今日は郷土色豊かな民俗芸能を最後まで楽しんでほしい」などとあいさつ、公演が始まりました。
オープニングで登場したのは、森吉地区・五味掘集落に伝わる「餅搗踊り」。大正末期から昭和初期にかけて起こった「阿仁前田小作争議」ですさんだ人々の心を慰めるために、下北半島・東通村の「田植え餅搗踊り」を原型として始まった、といわれる踊りです。「♪もちつきまいは めでたいな、郷土で名高い森吉山・・・」と、調子の良い囃子に合わせ臼と合い取りを中心に、30人ほどが扇子を持って回る独特の芸能に、大きな拍手が送られていました。
この後、国替えのため常陸の国から秋田へ赴いた佐竹侯を慰めるための道中芸として始まったといわれる勇壮活発な「駒踊り」や、親子・雌雄の愛情を表現するという「獅子踊り」、また県の無形民俗文化財にも指定されている「猿倉人形芝居」などが演じられました。
3時間半にわたる長時間の公演にもかかわらず、観衆は席を立つこともなく、懐かしく郷土色ゆたかな各地区の芸能の数々をたっぷりと堪能していました。
(2006.9.3)