2006年09月09日
コンテンツ番号4673
第12回秋田県救急隊員セミナー
「救急の日」の9月9日(土)、県及び県消防長会主催の「第12回秋田県救急隊員セミナー」が市文化会館で開かれ、、「あなたにも守れます。尊い命〜知っておきたいチェーン・オブ・サバイバル(救命の連鎖)」をテーマに講演やパネルディスカッションが行われました。
このセミナーは、救急隊員らが活動における体験活動など研究成果を披露し、救急に関する知識を高めるなど救急隊員の資質の向上と意識の高揚を図るとともに、市民にも救命への関心を高めてもらうことなどを目的に開催されているもので、全県から消防、医療、福祉関係者、養護教諭などのほか一般市民らおよそ300人が参加、本市でははじめての開催となりました。
県総合防災課長、県消防会会長ら主催者のあいさつの後、岸部市長が「市民が安心して暮らせるのは、日々救命活動の実践、研究に取り組んでいただいている消防関係者の皆さんのおかげ。救急隊員のみならず市民の救命意識を高めることにつながるこのセミナーを開催いただいた関係者のご尽力に感謝申し上げたい」などと歓迎の言葉を述べました。
開会式に続き、市立秋田市立総合病院中央診療部手術室長兼救急集中治療室長の円山(えんざん)啓司さんが、“大切な命!守るのは誰!”と題して講演。円山さんは、人を車にたとえ、「車と同様に、いつ故障するかわからない。エンジン(心臓)がストップしないよう、常に意識しながら生活すべき」と述べ、 また、「一般に家族が倒れた場合、最初の通報は身内に対して連絡しがちだが、まず119番通報が先決。心臓が停止した場合、数分で脳への酸素供給が止まってしまう。心臓マッサージを行うとともに、迅速な通報で時間の無駄を無くし、救急隊員にバトンタッチすることが必要」と、いざというときの心得を説いていました。

母が突然倒れ、心肺蘇生を実践した体験談を発表した下杉の木村沙由瑠さん
続いて行われたパネルディスカッションには、市消防本部の小笠原力救急主任、本市下杉の木村沙由瑠さん、上小阿仁中学校養護教諭の佐藤久美子さん、特別養護老人ホーム「青山荘(せいざんそう)」看護主任の武田節子さん、秋田市消防本部の佐々木博隆救急主任の5人がパネラーとして体験談などを発表しました。
このうち木村村沙由瑠さんは、心臓疾患を抱えていたお母さんが家で突然心肺停止となって倒れ、必死になって助けようとした体験を発表。「母の命を救いたいとの一心から、中学時代の授業や自動車教習所で学んだ救命訓練を思い出し、必死の思いで心肺蘇生法を実施した。救急隊が駆けつけ、AED(自動体外式除細動器)などの処置を施した上で病院へ搬送、現在は以前の健康を取り戻している。救命講習を受けていなかったら母を助けられなかったかもしれない」と話すと、会場の市民も、『救命の連鎖』の重要性をあらためて感じていたようでした。