2006年09月13日
コンテンツ番号4668
売れるものづくり部門「経営体部門」
優れた農業経営が認められ秋田県農林水産大賞と農林水産大臣賞を受賞、今月8日、秋田市で開かれた「あきた農林水産フォーラム2006」の会場で寺田秋田県知事から表彰を受けた本市・木戸石の栄物産(藤嶋佐久榮代表)の藤嶋代表(61歳)らが市役所を訪れ、岸部市長に受賞の報告をしました。
この賞は、秋田県が魅力ある農業・農村づくりの推進のため、地域をリードする優れた農業経営体に授与しているもので、今年度は、「売れるものづくり部門」で表彰を受けた同社を含む9経営体が受賞、栄物産は、農林水産大臣賞と合わせての受賞となりました。また、表彰式では県農業士認定証書授与式も併せて行われ、本市からは阿仁戸鳥内の鈴木政人さんが青年農業士として認定を受ました。
栄物産は、全国の市場や産地の情報を収集し、30種類を越える山菜やツマもの(「もみじ」など、主に料亭用のお料理のあしらいに使われる葉っぱ類)を栽培、需要の動向を捉えながら周年出荷ができるようにマーケティングを重視した経営スタイルを貫いていることなどが評価され、今回の受賞となったものです。
「稲作経営の感覚だけではこの事業は難しい」と語る藤嶋代表
代表の藤嶋さんは、昭和61年にツマものの栽培について視察をはじめ、平成16年に同社を創業。15人の従業員で周年出荷に取り組み、年間1億円を越える売上を達成しています。
藤嶋さんは、農業機械のコスト高などから稲作に見切りをつけた経緯に触れながら、「ツマものも最近では中国などからの輸入もあり競争は厳しいが、和食があるかぎり需要がある。当地方は稲作に依存しているが、稲作経営の考え方から抜け切ることがこの業態での経営のコツ」と語り、また、「ツマものの一つ『もみじ』も、今は四国などが主要な産地の一つだが、当地方では鷹巣から比立内まで紅葉期間も長く、生産地として十分対抗できる。また山菜も、安定生産のためには一品種に最低でも5年かかるが、これを研究してくれるセンターなどがあれば、参入する人も増えるのでは」と、幅広い農業経営の可能性について意見を述べていました。
受賞報告を受けた岸部市長は、「藤嶋さんたちが先進的な取り組みをされることで農業の可能性も広がる。市の農業振興のために、けん引役・発信役としてそのノウハウを伝えて」と、受賞を称えました。
(2006.9.13)