2006年07月11日
コンテンツ番号4577
書籍「ブナの森は宝の山」
森吉山麓の動植物を紹介した書籍「ブナの森は宝の山(平成18年4月、福音館書店発行)」が自然愛好家などの間で話題となっています。
この書籍は、児童書専門の出版社・福音館書店から小学生中学年以上を読者として編集・発行されたもので、奥森吉のノロ川流域を中心とするブナの森と森に生きる動植物が、写真と文章で生命力豊かに紹介されています。
著者の平野伸明氏と野沢耕冶氏はともに写真家。平野氏は『野鳥記(福音館書店)』などの著書のほか、NHKの「生きもの地球紀行」や「地球!ふしぎ大自然」などの映像製作にも取り組まれています。また野沢氏もNHK[生きもの地球紀行」製作に関わり、書籍では本書がデビュー作となりました。
平野、野沢両氏とも、環境省森吉山野生鳥獣センターの展示映像製作に関わったことをきっかけに、奥森吉の豊かなブナの森の魅力に取り付かれ、厳冬期を含め4年間にわたる奥森吉の取材を敢行、この本の出版に至ったものです。
本書の構成は、冬から秋までの森とそこに生きる動植物の鮮明な写真を季節を追う形で掲載。植物の季節ごとの葉の形や水生昆虫の種類、渓流沿いに棲む鳥たち、セミやトンボの羽化、ヘビに飲み込まれた瞬間のカエル、擬態状態の昆虫、月夜に怪しく光るツキヨダケなどを、科学的な視点で紹介しています。
小中学校の夏休みを控え、子どもたちがブナの森を観察する際の図鑑や指導者のハンドブックとしても、参考になるかもしれません。
著者の平野さんは、「あとがき」の中で『奥森吉の森は、平坦で歩きやすく、子どもから年配の人たちまで多くに人々に親しまれています。この森に魅せられて、その後4年にわたり、この森とかかわることになりました。テレビも風呂もない森の中で暮らすのは簡単なことではありませんでしたが、この森がぼくたちを優しくつつんでくれたおかげで、毎日を楽しくくらすことができました。この森の存在を知ったことが、ぼくたちの一番の宝物です』と、ブナの森への思いを綴っています。
本書はフルカラー全112ページ。定価2,520円。市立鷹巣図書館などでご覧になることができます。
(2006.7.11)