2006年06月27日
コンテンツ番号4510
〜北秋田市情報公開審査会〜
北秋田市情報公開審査会では、実施機関(市長ほか)から諮問を受け、審議を経て答申書を提出していますが、市情報公開条例の規定に基づき、その答申内容を公表しています。これまでに提出した答申書(全文:PDF形式)とその概要は次のとおりです。
諮問・答申の時期
【諮問】
平成17年12月21日
【答申】
平成18年6月6日
答申内容
「3月22日以降北秋田市と厚生連が統合病院に関する双方のやりとりした全ての文書」非公開決定に対する異議申立事案
概要
一 異議申し立ての事案
平成十七年十月二十四日、異議申立人は、市長に対して「十七年三月二十二日以降、市と厚生連が統合病院に関する双方のやりとりしたすべての文書」についての公開請求を行いましたが、同年十月二十七日の非公開決定を受けて、市長に異議申し立てを行なったものでず。
ニ 諮問に対する審査の経緯
審査会では市長からの右の異議申し立てについての諮問をうけ、平成十七年十二月から本年六月までに九回の審査会を行なってきました。
三 審査会の結論
審査会では、「対象となるすべての文書は公開するべきである」と結論づけました。
四 異議申し立ての理由
異議申立人は、異議申し立ての意見書及び審査会での意見陳述でその理由を述べましたが、要旨は次のとおりです。
(1)意見書の要旨
- 非公開決定通知書の記載要件が具備されていない
- 文書の秘密性が失われている
- 市条例の定める非公開事由の解釈、適用を誤っている
(2)意見陳述の要旨
- 市の重要政策決定に係る情報ゆえ、市民の「知る権利」は重い
- 非公開決定は、最高裁判所の判例からしても違法である
五 異議申立に対する市の説明
市では、文書を非公開とした主な理由について、次のように述べています。
「市と厚生連双方の交渉途中段階での情報であるから、まだ確定していない情報の内容が誤って伝えられ、そのことによって市民に混乱を生じさせるおそれがある」
六 審査会の判断理由の要旨
審査会では、「地方自治の本旨に則って市民の知る権利を最大限に尊重」「市政運営において透明性の向上を目ざす」という市情報公開条例の理念にたって条例を解釈して、次のように判断をしました。
(1)条例の該当性について
市では非公開事由を市条例第七条第六号に求め、市の交渉等に係る情報で公開することによって市の財産上に不利益を及ぼすおそれがあるとの理由を示しました が、文書(情報)の内容からして市の不利益の発生は認め難く、非公開事由には「おそれ」の具体的説明が示されていないこともあって、条例の条項には該当しないものと判断しました。
(2)非公開決定の適法性について
次の理由から「非公開決定」は適法性を欠いていると判断しました。
- 「非公開とするためにはその具体的主張を述べなければならない」とする最高裁の判例からしても、市の決定はその要件を満たしていない。
- 請求文書の中の一部文書(市医療整備基本構想に対する厚生連からの要望)は既に議会全員協議会で読上げられ、その要点の資料配布も行なわれているため、広く公表されているものと解されることから、秘密性を失っているから非公開の対象とはならない。
以上のことから、市の「非公開決定」は市で定める市情報公開条例第七条第六号には該当しなく、適法性を欠いているものと言えるので、請求されたすべての文書は「公開すべき」と判断しました。
七 審査会での少数意見
審査会では、少数ながら次のような意見も出されましたので付記します。
- 双方の契約行為にある交渉の途中だから、秘密の保持は必要。交渉の経緯、決定事項はやがて市議会でも明らかになる。
- 裁判所の判例にもあるが、公開する、しないの判断は市長の裁量。よって、市条例に規定している非公開事由に該当させた市長裁量は逸脱していない。
八 答申までの主な経緯
- 十七年十月二十四日
異議申立て人が市長に公開請求 - 十七年十月二十七日
市長が異議申立て人に非公開決定 - 十七年十二月九日
異議申立て人が市長に異議申し立て - 十七年十二月二十一日
市長が情報公開審査会に諮問 - 十八年六月六日
情報公開審査会が市長に答申
(2006.6.27)