2019年11月12日
コンテンツ番号3202
秋田内陸の北と南をつなぐ地域づくり
(2019年11月12日)
地域高規格道路大曲・鷹巣道路整備促進フォーラムが11月12日(火)に市民ふれあいプラザで行われ、有識者による講演とパネルディスカッションを通して内陸の北と南をつなぐ道路整備促進に向けて理解を深めました。
国道105号の大曲・鷹巣間は、県北と県南を結ぶ物流や観光の重要な路線となっています。しかし、急こう配やカーブが連続する箇所があるほか、豪雨災害や雪害による通行規制がたびたび発生しています。平成26年に行われた秋田県幹線道路検討委員会において、大曲・鷹巣道路が優先整備路線に決定され、その後の検討委員会で、大覚野峠が優先整備区間に決定されました。
このフォーラムは、北秋田市、上小阿仁村、仙北市、大仙市、美郷町の沿線5市町村で組織する地域高規格道路大曲・鷹巣道路整備促進期成同盟会(会長:門脇光浩仙北市長)の主催によるもの。整備の必要性を声高く関係機関に発信し、必要な事業化と予算化を成し遂げていくことを目的に、平成26年度から開催しています。
はじめに、開催地を代表して津谷市長が「地域高規格道路大曲・鷹巣道路の整備は、災害への対応力強化だけでなく、地域間交流の促進や観光、産業振興、救急医療圏の拡大の点からも非常に重要と考える。また、沿線の関係機関で構成する利活用促進検討会議で、愛称が『秋田マタギロード』に決定されたことは、阿仁マタギを日本遺産登録を目指す当市にとっても大変喜ばしいことである。一日でも早い整備を目指し、機運を盛り上げていきたいと考えているが、そのためには皆さまの力が必要となる。まずは関係する地域の方々が一堂に介し、この路線について共通の認識を持って進めていくことが大切である。本日のフォーラムを通して、地域高規格道路大曲・鷹巣道路整備促進への理解がより一層高まるとともに、一日でも早い整備がされることを願う」とあいさつ。
続いて、主催者を代表して門脇光浩会長が「道路整備の必要性を訴えていくためには、毎日の私たちの活動が大きく左右する。皆さまのさらなるご支援をいただきながら、地域高規格道路としての整備を力強く進めていく起点となるようなフォーラムにしてもらいたい」などとあいさつしました。
また、来賓の川原誠秋田県副知事は「今後も沿線市町村の発展に欠くことのできない大曲・鷹巣道路の整備促進について、皆さまと一丸となって関係機関に強く訴えていきたいと思うので、一層のご理解とご協力をお願いする」などと述べました。
基調講演では、はじめに国土交通省東北地方整備局の酒井洋一道路部長が「道路を取りまく最近の話題」をテーマに講演。酒井氏は「道づくりには、『企業進出・新規雇用の後押し』『高速ネットワークの進展による物流効率化』『観光振興への貢献』『安定・迅速な救急搬送の支援』の4つの効果がある。このうち観光振興への貢献については、地域高規格道路の整備より広域観光周遊ルートが形成されることによってアクセスの向上や他市他県との連携強化が図られ、より一層の交流拡大が図られる」などと話し、大曲・鷹巣道路が整備されることで広がる可能性について述べました。
また、伊勢堂岱縄文館の中嶋俊彦館長が「伊勢堂岱遺跡~その価値と保存活用~」をテーマに講演。中嶋氏は伊勢堂岱遺跡の世界文化遺産登録に向けての取り組みを紹介し「伊勢堂岱遺跡を通じて、北東北の遺跡と連携した周遊や仙北市や鹿角市とリンクした観光につなげ、広域連携で地域の活性化を図っていきたい」などと、観光資源としての伊勢堂岱遺跡の価値について述べました。
パネルディスカッションでは、松渕秀和氏(秋田県公共事業評価専門委員会委員長)をコーディネーターに、酒井洋一氏との菅原喬氏(秋田県建設部建設技監)がアドバイザーを務め、中嶋俊彦氏、筬島洋俊氏(株式会社BREZZA代表取締役)、桑島功氏(田沢湖・角館観光協会専務理事)の3人のパネリストが「大曲鷹巣道路に求められる役割について考える」をテーマに活発な意見交換を繰り広げ、大曲・鷹巣道路が持つ可能性について語り合いました。