2006年01月15日
コンテンツ番号4363
~市内三里・松橋恵美子さん失そうから14年が経過~
(2006.1.15)
北朝鮮による拉致(らち)疑惑が持たれている松橋恵美子さん(合川地区・三里 当時26歳)が消息を絶ってからちょうど14年が経過した1月15日(日)、岸部市長が恵美子さんの自宅を訪問、父の要吉さん(65)と母のチヤさん(63)を激励しました。
恵美子さんは平成4年1月15日、祖母に「鷹巣に行って来る」と言い残し、1人で車に乗って出かけたまま行方不明となり、3日後に車が能代市の落合浜で発見され、無施錠の車内には恵美子さんのコートや財布、免許証などが残っていました。(→失そう当時の詳細はこちら)
その後、手がかりがないまま年月が経過しましたが、北朝鮮による拉致疑惑を調査している特定失踪者問題調査会(荒木和博代表)が、「拉致された疑いが強い」として、平成15年1月に公表した「北朝鮮による拉致の可能性があるとみられる行方不明者リスト」にも含まれました。
またご両親は、知人や地元住民らが立ち上げた「北朝鮮拉致疑惑を解明する秋田県民の会(福岡博代表)」とともに、県や警察に対して真相の究明を訴え、昨年7月には、岸部市長に調査への協力を要請しています。
この日ご両親を訪問した市長は、「心中をお察しします。もう15年目に入りましたが、新たな情報などはありますか」と慰めのことばをかけながら問いかけると、両親は「何もありません」と言葉もないようす。同席した支援者の福岡博さんが、「こうして訪問していただいたことが何よりの励みになります」と代弁していました。
母のチヤさんは「もう14年が過ぎたが、出かけた時の姿をついこの前のことのように覚えている。天気がよく、とても寒い朝で、『気をつけて』と声をかけた。鷹巣へ行くと言って出かけたきりで、その日は帰ってこなかった。たぶん友人宅にでも泊まったのだろうと思っていたが翌日会社から電話があり、出社していないと言われ、17日の早朝、森吉署に届け出た。能代市で車が見つかったのは3日後のことでした」と、忘れられない当時の様子をとつとつと語っていました。
また、「1月25日、家に無言電話があった。『恵美子か?』と問いかけたが、何も応答がなかった。その後も何度かベルが鳴ったが、すぐ切れてしまい受話器を取れない電話もあった。あのときのことも忘れられません」と、強い印象があった不審な無言電話について話していました。
訪問に同席した福岡博さんは昨年10月に発足した「北朝鮮に拉致された日本人を救出する全国協議会秋田の会」の代表。同会は、真相解明に向けた動きを活発化させており、福岡代表はこの日、3月に能代市文化会館で、元北朝鮮工作員で脱北者の安明進(アン・ミョンジン)さんを迎えた公開セミナーを開催する予定であることや、恵美子さんが拉致された状況を安氏に検証してもらうことなどを明らかにしました。