2007年11月25日
コンテンツ番号9608
〜綴子神社氏子青年会〜
(2007.11.25)
綴子神社氏子青年会(三沢定幸会長、会員84人)による大しめ縄作りが11月25日(日)、綴子下町自治会館で行われ、会員らが製作作業に精を出しました。
しめ縄は、神社の鳥居や拝殿などに飾られ、神聖な場所を区切り、穢(けが)れを祓(はら)い清めるために用いられます。縄のない方などの伝統技術も使われていることから、氏子により製作、奉納されるしめ縄は民俗的な文化財ともいわれます。
しかし最近では、氏子が少なくなったことや、縄の材料となるスゲやわらが確保できなくなったことなどから、市内でもしめ縄づくりの伝承が難しくなっています。
同青年部では、神社と地域への奉仕活動、伝統技術の継承などを目的に2年前から同神社に飾るしめ縄作りを始めたもので、今年で3回目。この日は、会員10人が参加、同神社の武内尊英宮司が見守る中で作業が進められました。
縄の材料となるスゲは、三澤会長が田中、大畑など綴子地内の湿地から炎天下の8月に刈り取り、乾燥させ保管しておいたもので、量は一畝分(約100)ほど。刈り取ったあとすぐに天日に干すことで、耐久性や見た目の美しさを維持できるそうです。会館の大広間にこのスゲの束が持ち込まれると、部屋の中には青々しい香りが漂いました。
しめ縄をなう技術を持った人は年ごとに減っていますが、特に大きな縄をなえる人は地区内でも少なく、青年会のしめ縄づくりには、綴子大畑神社に飾るしめ縄を作っている同集落の小笠原清逸さん(73)が指導にあたっています。
製作工程は、まずスゲを編んで芯にした太い胴体を作り、中心を固定して左右それぞれに左よりでなってゆきます。均等に力を入れながらなわないと形が崩れるため、太い縄の場合は数人がかりで作業を進めます。出来上がったしめ縄はおよ10メートル。
最後に、縄からはみ出たスゲの端をハサミで切りそろえ、さらに縄からぼんぼりを5本下げて青みも鮮やかな大しめ縄が完成しました。
三澤会長は、「スゲの確保がたいへんだったが、これまでで一番大きなものができた。毎年更新し、伝統を長く伝えたい」と話していました。
大しめ縄は12月中旬に綴子神社の正面の鳥居に飾られ、新年を迎える準備を整えます。