2007年10月14日
コンテンツ番号9657
本市出身フラメンコギタリスト三澤勝弘氏コンサート
(2007.10.14)
本市出身のフラメンコギタリスト三澤勝弘氏によるコンサート「フラメンコへの誘(いざな)い」が14日夜、市文化会館で開かれ、約300人の観衆が本格的なフラメンコギターと歌、華麗なダンスを堪能しました。
三澤氏は旧鷹巣町松葉町出身。鷹巣中学校時代から独学でフラメンコギターを始め、1966年大学進学で上京し伊藤日出夫氏に師事、都内のクラブや労音等の公演で演奏活動を開始します。1967年には全日本フラメンコギターコンクール2位入賞。またスペインに渡りニーニョ・リカルド氏に学びました。現在は日本フラメンコ協会常任理事などを務められ、後進の育成にもあたられています。
三澤氏の家族はフラメンコ一家。公演には、同じく鷹巣出身でフラメンコ歌手(カンテ)の夫人・敦子さん、そして新鋭ギタリストとして嘱望されている子息・暁真(あきまさ)さんも出演し、会場には三澤氏の親族も大勢駆けつけていました。
このほか、内外の一流アーティストなどとの競演も豊富な歌手の加藤直敬(なおたか)氏、「バイレ」と呼ばれるフラメンコダンサーの割鞘憂羅(わりさやうら)、小池重子、高堰(たかぜき)テラ、多田レイ子の各氏が出演。さらに、大館ERINA(エリナ)フラメンコ同好会のメンバー13人が花を添えました。
フラメンコはもともとスペインのアンダルシア地方でヒターノと呼ばれる定住したジプシーが始めた踊り。 虐げられたヒターノの嘆きや叫びが歌(カンテ)として表現されるようになったといいます。その後、ギターが加わり、さらに踊り(バイレ)が取り入れら、この3つが一体となったスタイルが現在の主流となっています。
1部と2部からなるプログラムは大館ERINAフラメンコ同好会による明るいテンポの「タンゴ・デ・マラガ」でオープニング。この後、三澤氏のギターソロ「ファンダンゴス」、夫人のカンテソロ「グラナイーナス」で生きる喜びや悲しみ、苦しみなどを表現するフラメンコの世界に引き込み、小池重子、割鞘憂羅(わりさやうら)両氏の華麗なダンスで1部を締めくくりました。
さらに、2部では格調高い「ソレア」、明るく軽妙な「ガロティン」、そしてソレアと双璧をなすといわれる激しい楽曲「シギリージャス」などを、小池氏など4人のプロダンサーが一人づつ入れ替わりながら激しくも華麗に踊り、観衆はその雰囲気に圧倒されていました。
フラメンコダンスの特長は何といっても踊りの手拍子と靴音の競演。手拍子を打ちながらつま先やかかとを使って靴音でリズムを取ります。ダンサーの靴音も、控えているダンサーによる手拍子も一つの楽器のような音を奏でていました。
フィナーレでは、再び大館ERINA同好会が登場し、プロダンサーとともに情熱的なダンスを披露、会場から大きな拍手をあびていました。