2007年08月13日
コンテンツ番号4184
各地区でお盆行事 前山では奴、じゃこ釣舞い
(2007.8.13)
各地区のお盆行事が13日から始まり、前山、李岱・川井(合川地区)、米内沢・本城・浦田・阿仁前田・(森吉地区)、荒瀬(阿仁地区)などで地区伝統の郷土芸能が行われました。
このうち、鷹巣地区・前山では今年も前山郷土芸能保存会(小笠原忠夫会長)による奴踊りとこっけいな「じゃこ釣り舞い」が披露されました。
前山地区の郷土芸能は、もともと「前山盆踊り」として伝承されてきたもので、江戸中期、村の旧家が集まって豊作と厄除けを祈願するために雷皇(らいこう)神社に奉納したのがきっかけだといわれています。
この芸能は、佐竹氏が常陸の国から秋田入りしたときの行列のようすが原型になっているといわれ、大名行列や、獅子踊りなどで構成されていましたが、現在では「奴踊り」「獅子踊り」「じゃこ釣り舞」が伝え踊られています。
奴踊りの演目は、当時の生活の中に題材をとったものといわれ、采配役の中奴の指揮に従って輪を作って踊ります。演目の種類はかつては14・5ありましたが、現在では「ぶっ込み奴」「花奴」「綾(あや)奴」「サギリ奴」など6種類ほどが伝承されています。
踊りは午後3時30分から始まりましたが、この日は最高気温が35度を超える猛暑。強い日差しが照りつける中、子どもから大人まで約40人の踊り手が午後6時頃まで集落内数カ所で大粒の汗を流しながら演じ、帰省客も交じる沿道の人々から大きな拍手を浴びていました。
また、芸能のしめくくりに演じられたのが「じゃこ釣り舞」。釣りの好きな兄弟のしぐさをこっけいに演じる舞で、演技で釣り上げられる魚は本物の鯉が使われます。布製のひょうきんなお面をつけた姿は子どもたちにも大人気。ユーモアたっぷりな演技と凝った演出に笑いと拍手が沸き起こっていました。
じゃこ釣舞いの演じ手の一人は小笠原会長。扮装の笠とほっかむりをはずし、したたり落ちる汗をぬぐいながら、「獅子踊りも披露したいが、踊り手がじゃこ釣舞いも兼ねるなど人材不足で難しい。笛や太鼓の後継者も心配。郷土芸能への愛着心が途切れないよう以前は参加していなかった中学、高校生も加わって芸能を伝えているが、集落の若い人たちにもぜひ参加してほしい」と、郷土芸能伝承への熱意を語っていました。