2007年08月16日
コンテンツ番号9708
第45回阿仁の花火と灯篭流し
(2007.8.16)
阿仁地区のお盆行事「第45回阿仁の花火と灯篭流し」が8月16日、阿仁・河川公園で開かれ、市内外から訪れた約1万5千人の見物客が灯篭の光と夜空の花火が織りなす幽玄の世界に浸りました。
主催は市観光協会(織山盛二会長)と阿仁の花火実行委員会(菊池忠雄委員長)。この日はあいにくの雨。それでも小降りになった夕方から会場に観客が続々と詰めかけ、雨よけのシートを張るなど、各自工夫しながら観覧場所を確保していました。
灯篭流しは、 お盆に帰ってきた死者の魂を現世からふたたびあの世へと送り出すために、死者の魂を乗せた灯篭やお盆のお供え物を流す行事。阿仁地区では、花火大会に合わせ阿仁仏教会灯篭流し奉賛会(梅井繁司会長)が中心となって開催されており、午後6時から会場入り口付近に設けられた仮設の祭壇で、祖先の霊を招霊し供養する儀式「一代供養」が行われました。
セレモニーには浄土宗の善導寺、専念寺、曹洞宗の耕田寺など各宗派の6寺院の檀家代表と住職らが参加、はじめに菊池実行委員長が物故者への追悼文を朗読、このあと僧侶による読経と焼香で祖先の霊を供養しました。
あたりがお香の匂いと読経の響きに包まれる中、灯篭流しが始まり、各檀家から持ち込まれた灯篭が係員の手で阿仁川に一つづつ流されました。流された灯篭は約1千個。水に溶ける紙で作られています。夕暮れの薄明かりの中を川面に影を映しながら灯篭がゆらゆらと流れ、川辺で見守る見物客らもその幽玄な美しさを堪能していたようでした。
午後7時30分から始まった花火大会では、はじめに主催者を代表し菊池実行委員長が「少子化や不景気でたいへんだが、阿仁のゴンドラやこの花火大会など観光振興で地域を元気にしたい。あいにくのお天気だが、最後まで楽しんで」とあいさつ、開始号砲が鳴り響きました。
大会は、誕生や結婚を記念するメモリアル花火の部を間に入れた3部構成。4号から6号の割り物花火、色とりどりのスターマイン(連射花火)、猫の顔などをかたどった造形花火など約3,000発が打ち上げられました。川幅約100mほどの阿仁川をはさんで対岸から打ち上げられる数々の花火は、特に音が山間に共鳴し迫力満点。
会場内、またふるさと文化センター裏の高台などに陣取った見物客らは、美しい灯篭絵巻と山峡にこだまする花火との競演を、午後9時のフィナーレまでじっくりと堪能していました。また、午後3時から異人館・伝承館前で開かれた「異人館フェスティバル」でも、雨にもかかわらず、地域や帰省客の皆さんが生ビールのジョッキをかたむけ、行く夏のひと時を楽しんでいました。
鷹巣方面、角館方面から訪れた人々も多く、用意された3両編成の帰りの秋田内陸線臨時列車はほぼ満員。内陸線の乗車促進にも貢献したイベントとなりました。