2007年07月09日
コンテンツ番号9759
本市鷹巣出身 彫刻家・伊藤信直さん
(2007.7.9)
このほど、本市出身の彫刻家・伊藤信直(のぶなお)氏(79)=東京都八王子市=から市に寄贈された熊の彫刻が9日、伊藤氏の弟で東京都板橋区在住の強美(つよみ)さん(66)によって本市に運ばれ、あらためて市長に贈呈されました。
この日市役所を訪れ、信直氏に代わり市長への贈呈役を務められたのは、強美さんと東京旧鷹巣会の事務局・小市哲子さん=東京都世田谷区=のお二人。作品は、7月1日に東京都台東区で開かれた東京旧鷹巣会(米代会)の席上、伊藤氏から市に寄贈され、会に出席した佐藤修助副市長が目録を受け取っていたものです。実物は8日夜、信直氏の自宅で強美さんがワゴン車に積み込み、9日早朝3時に東京を出発、10時間以上をかけて北秋田市まで運搬しました。
伊藤さんは1928年(昭和3年)本市住吉町生まれ。1956年、武蔵野美術学校(現大学)を卒業後、二紀展、日本芸術家展、新美術展など数々の展覧会で彫刻作品が入賞されているほか、絵画作品も手がけられています(→略歴)。
また伊藤さんは、旧鷹巣地区(昭和の合併前の鷹巣町の区域)の出身者の会である東京旧鷹巣会(米代会)の会員でもあり、これまでもふるさとに恩返しをしたい、との思いから、市をはじめ、市内の寺社などに自身の作品を多数寄贈されています。
また、米代児童公園に昭和55年に建立された成田直衛翁(本市出身の初代県議会議長、代議士)の胸像も氏の作品です。
この作品は、幅120、奥行き105、高さ100の楠の一木作り。熊が裏返した秋田フキの葉の上で茎をつかみ、立ち上がった姿を迫力あふれる構図で捉え、ノミの彫り跡と漆で仕上げられた色合いが重厚感をかもし出しています。
強美さんは、「東京旧鷹巣会の会員でもある兄は、お世話になったふるさとに貢献することを以前から望んでいた。今回は、来年80歳を迎えることを機に寄贈を思い立ったもの。市民の皆さんに喜んでいただければ幸い」とあいさつ。
岸部市長は、「今回も貴重な作品を寄贈いただき心から感謝申し上げたい。早速市の施設に展示したい」と、感謝のことばを述べていました。