2007年07月27日
コンテンツ番号9741
齊藤宏一さん 第41回秋田県林業コンクールで
(2007.7.27)
このほど開催された第41回秋田県林業コンクール「育林の部」で本市阿仁銀山の齊藤宏一さん(78)が秋田県知事賞を受賞し、27日市役所を訪れ佐藤修助副市長に受賞を報告しました。
コンクールは森林の適正な管理と林業の技術・経営の改善に努め、林業の発展に資することなどを目的として県が主催しているもので、林業経営体部門と育林部門で優れた経営体を表彰しています。
今年のコンクールでは、各地域振興局単位での予備審査を通過した「経営体の部」8点、「育林の部」8点について審査が行われ、優秀賞6点、優良賞10点が決定。さらに優秀賞の中から、齊藤さんが育林部門で県知事賞を受賞したものです。
齊藤さんは、元鷹巣阿仁広域圏組合職員。消防本部阿仁分署長を退職後は、林業農家として所有山林の育林・管理に努められている外、阿仁林業研究グループの副会長を長年務め、常に経営の改善,技術の向上を心がけ山づくりに取り組まれています。所有山林は模範林として宮崎県など県内外から多数の視察者が訪れており、地域林業への波及と林業振興に大きな役割を果たしています。
齊藤さんの所有する山林面積は5.86ヘクタール。全てがスギ人工林で5〜9齢級が90%を占め中高齢級の林分で構成されています。コンクールに応募したはこのうち阿仁幸屋根字菅ノ沢にある1.04ヘクタールの林分。昭和47年に植栽した35年生のスギ840本が成立しており、これまで下刈り10回、枝打ち4回、間伐3回などの施行歴があります。
このような施行により良質な木材の生産に努めた結果、保育状況や立木の成長度合いに優れていること、また立木にペンキを塗るなど境界を明確にし管理を徹底しているなどの工夫が評価され、このたびの受賞となったものです。
報告で齊藤さんは、「木材価格の低迷といった理由などから、民有林は維持管理の手が入りにくいが、育林に熱心だった父にも影響され、山林に手をかけてきた。今後も、地域林業に貢献できるよう努めたい」と述べていました。
副市長は、「“植樹”には比較的関心が持たれるが、大切なのは長い年月をかけて木を育てること。枝打ちや間伐、下刈りといった地道な作業が森をつくり、環境を保護することにつながる。市の地域林業振興のために、後進にその熱意と技術を伝えてほしい」と、これまでの取り組みに敬意を表するとともに受賞を称えていました。