2019年09月14日
コンテンツ番号3171
縄文文化にふれ遺跡の価値を認識
(2019年9月14日)
第19回北秋田市縄文まつりが、9月14日(土)に伊勢堂岱縄文館で開催され、来場者が火おこし体験や勾玉づくりなど縄文時代の暮らしや文化を体験し、先人たちに思いをはせました。
伊勢堂岱遺跡は大館能代空港そばの台地上に位置する縄文時代後期前半(約4千年前)の遺跡で、平成7年に同空港アクセス道路建設に先立つ発掘調査で発見されました。直径30メートルを超える4つの環状列石(ストーンサークル)や配石遺構、掘立柱建物跡、土壙墓、捨て場など、多くの祭り・祈りの施設が見つかり、大規模な祭礼の場ではないかと推測されています。
また、伊勢堂岱遺跡は、7月30日(火)に行われた国の文化審議会世界文化遺産部会において「北海道・北東北の縄文遺跡群」として国内推薦候補に選出されました。縄文遺跡群は、4つのストーンサークルを主体とする本市の「伊勢堂岱遺跡」や大規模集落跡の「三内丸山遺跡(青森県)」など17遺跡で構成されており、狩猟や採集などを基盤とした先史時代の文化を知る遺跡群として世界的な価値があるとし、2021年の世界文化遺産登録を目指しています。
縄文まつりは、平成13年に同遺跡が国の指定史跡に指定されたことをきっかけに、伊勢堂岱遺跡や縄文文化に関心を持ってもらうとともに、子どもたちにも体験学習の場を提供しようと開催しています。
開会セレモニーでは、佐藤善寿縄文まつり実行委員長が「日頃よりワーキンググループが主体となって伊勢堂岱遺跡の普及に努めてきたが、そのPRの成果が出てきている。今年は、7月に世界文化遺産の国内推薦候補に選出という大きな節目を迎えた。また、来年にはICOMOS(イコモス)による現地調査が行われる予定であり、皆さまの力をお借りしたい。世界遺産登録の日を皆さんとともに迎えるため、今日は心の底から万歳と言える一日にしてもらいたい」などとあいさつ。
続いて、佐藤教育長が「伊勢堂岱遺跡は、世界遺産登録を目指し皆さまとともに取り組んできたが、この度「北海道・北東北の縄文遺跡群」として国からの推薦をもらえそうな段階となった。本日は、縄文人も食べたであろういのしし鍋を食べながら、ストーンサークルで奏でられた音楽を鑑賞したり、各ブースで縄文文化を体験したりして、縄文人と同じ風を感じてもらいたい」などと述べたあと、黒澤芳彦市議会議長、近藤健一郎県議会議員、北林丈正県議会議員があいさつしました。
この日は、縄文人の生活を体験できる「縄文体験青空教室」が開かれ、当時の装飾品だった勾玉づくりや紙粘土での土器・土偶づくり、火おこし体験、手ぬぐいスタンプ体験、カラムシ織り体験などが行われました。このうち、紙粘土での土器・土偶づくりは子どもたちに人気で、夢中になってオリジナルの作品を作っていました。
また、縄文館前のステージではミニコンサートが行われ、レクダンスサークル、唱歌を歌う会、佐伯モリヤスさん、あるまんど山平&ベル・ヴィエントスが歌声や楽器演奏で会場を盛り上げました。
会場内では、秋田大学の学生による縄文クイズで楽しく縄文文化への理解を深めたほか、イノシシ鍋の振る舞いには大行列ができるなど、来場者は縄文文化を大いに感じ、楽しんでいました。