2007年06月07日
コンテンツ番号9777
北秋田市提案公募型特産品活性化推進事業完成プレゼン
(2007.6.7)
市の物産振興事業「北秋田市提案公募型特産品活性化推進事業」で採択された事業の完成品プレゼンテーションが7日、市役所分庁舎で行われ、3事業者が新たに開発・生産する商品をお披露目しました。
この事業は、市で産出される原材料や資源等を活かし、創意工夫により特産品の創出した事業者を支援することにより、地域活性化を図ることを目的とするもので、昨年度新規に創設されました。補助対象経費は、特産品の開発、改良にかかる経費のうち、研究開発費や事務費、委託費などで、補助率は2分の1、上限は50万円とされています。
平成18年度申請があったのは、5団体・法人。昨年11月に行われた専門家などによる審査委員会での審査を経て、このうち草木染加工開発事業に取り組む「ことむ工房(畠山好子代表)」、木の実「こはぜ」を活用した鷹松堂(湊屋啓二代表)の「こはぜ菓子プラッシュアップ事業」、清酒「安の滝」パッケージデザイン事業」の3つが採択されました。
プレゼンテーションは、各事業者による商品の生産がはじまり、市場への供給態勢についておおむね目途がついたことから、事業の紹介とともに商品のPRを兼ねて開かれたものです。
「ことむ工房」は、廃れつつあった伝承草木染めの絹織物「秋田八丈」の製品開発に取り組みました。この織物は、200年ほど前、奥州伊達郡(現・福島県)から、養蚕や織物技術に秀でた人物が秋田に移り住んで来たことから始まり、当時の秋田藩も殖産産業として奨励、つい最近まで秋田市を中心に生産されていました。日光やアルカリなどに強く、洗うほどに色艶を増していく、その美しさと堅牢性は、高く評価されています。昭和55年には最後の職人といわれた滑川晨吉氏による製品が秋田県の無形文化財に指定されています。
しかし、滑川氏の工房(秋田八丈滑川機業場)が3年前に廃業以来、生産は途絶えていましたが、滑川氏の好意により技術と機器を継承し、新たに北秋田市産の伝統工芸品として復活させたものです。工房では、地元から採れる植物で染めた反物のほか、生地を使った名刺入れやめがねケース、ペンケースなどの袋物(小物)を製作、工房のほか秋田市のアトリオンなどで販売する予定だそうです。
また、菓子店・鷹松堂の「こはぜ菓子ブラッシュアップ事業」は、昨年10月に開かれた「第1回北秋田市うめーもん品評会」のお菓子部門でプラチナホイッパー賞(第1席)を受賞した作品に改良を重ね、地元産の食材「こはぜ」を使った製品の需要拡大などを目的としたもので、寒天を使った「深山(みやま)の雫(しずく)」と皮とあんにこはぜをいれた餅の2種類を開発しました。
湊屋代表は、「こはぜは一般的にはナツハゼとよばれている果実で栄養価も高くさまざまな利用法があるが、あまり知られていない。『山のブルーベリー』として紹介し、製品は秋の国体や全国植樹祭などで販売したい」と説明していました。
清酒「安の滝」パッケージデザイン事業は、旧阿仁町の年中行事などを中心にデザインされた既存の商品のパッケージをより魅力のある素材を活用し刷新するもの。日本の滝100選にも選ばれた阿仁地区の名瀑「安の滝」の新緑と紅葉を中心にレイアウトし、県外などからの来訪者などにも強くアピールできるようデザインしたものです。価格は1本(1.8リットルパック)1,050円と格安。
代表の秋林さんは、「県外から安の滝を見に訪れた観光客にも好評だった。飲んだ後もパックを切り開いて絵柄を楽しんでくれれば」とPRしていました。
本事業は今年度も実施されます。申請期限は7月31日。プレゼンテーションなどによる審査は8月中旬に行われる予定です。詳細はこちらをごらんください。