2007年06月09日
コンテンツ番号9008
縦走競技 森吉山特設コース
(2007.6.9)
秋田わか杉国体で最後となり、その幕を閉じることとなる「山岳縦走競技」は、定められた重量(17〜8キログラム)のザックを背負いながら、登山道等を走破してそのタイムを競うものです。その国体へのリハーサル大会となったこの競技への参加者は、その種目区分が「成年男子」「成年女子」「少年男子」「少年女子」で、合わせて52人。隣県の青森県から九州・大分県までの国体本番をめざす全国からの選手が集いました。
会場は、今や「花の100名山」として全国の登山愛好者にその名が知れ渡ってきた森吉山。山の北西部にある森吉スキー場の滑走路を中心とした外輪山のひとつである「一の腰」山頂付近までの「登坂コース」が中心となりました。コースの延長は7.2Kmで、標高差が約600m(スタート地点:海抜600m〜ゴール地点:同1,200m)もあります。
この日は、どんよりとした曇り空に時折雨がこぼれる天気。成年男子の午前10時30分のスタートを皮切りに4種目のレースが展開されました。スキー場周辺のコースを回った後に、こめつが山荘を経由してスキー場滑走コースへと展開されましたが、徐々にその角度を増す上り勾配が難所となり、参加選手を苦しめました。
息を切らし、苦しさにあえぐ選手たちを励ましてくれたのは、コース途中の「給水」「通過確認」を主とした地元森吉地域住民のボランテェアが主体の大会役員ら。「がんばれ」「水をやるぞ」「ラストだ。もう一息だ」等々の熱き声援・励ましの声がこだましました。
標高1,200メートルの「一の腰」直下のゴール地点。ゴールアーチをくぐる選手たちをたくさんの拍手が迎え入れてくれました。連なるテントは「通信センター」「ゴール確認」「接待」「救護」「更衣室」など、選手到着後への対応を万全とする数々。リハーサル大会ならではの準備と作業の確認を行う競技役員らのきびきびとした連携プレーを随所で見ることができました。
今回のリハーサル大会では、参加者個々の成績のみを表彰するというもので、国体(本大会)に規定されているチーム(都道府県対抗)得点方式は採られません。あくまでも選手個人が秋の本番へ向け、技術・体力等の調整を図ることを主な目的としているものですが、 ゴール会場でインタビューした一部選手の談話と、成績の概略は次のとおりです。
成年男子で優勝した後藤 豊さん(山梨県)
自衛官。「富士山山岳マラソン(駅伝)」などを数多く体験している後藤さん。「車で12時間かけてやって来た。国体の名の付く大会は初めての参加。国体最後の種目故、ベストを尽くしたい。山梨の強化選手として地元に貢献したい」
地元北秋田市から初挑戦した野呂 康一さん(秋田県)
市職員。大学箱根駅伝で山梨学院大のアンカーを務めた。「自分の力を試すいい機会と捉えた。大体のイメージを描いて臨んだが、上り坂が立ちはだかる「壁」となった。ロードレースとは違い、いい勉強になった」
成年女子で準優勝した吉田麻衣子さん(秋田県)
北秋田市出身。花輪高、東京農大の駅伝の要として活躍。「4月から練習してきている。今日の調子はベストではないが、競技イメージはつかんできている。記念すべき秋田国体での最後の種目だから、秋の本番では力を出し切って周囲の期待に応えたい」
少年女子で優勝、準優勝の熊谷知奈さん、齋藤彩芳さん(岩手県)
岩手県・盛岡南高校山岳部の仲良しコンビ。「森吉山は、雄大かつ優しい山容で魅力的。高校では、山岳競技への理解度が高い。秋の国体は親しみある秋田県での記念大会だから一生懸命に頑張りたい」