2007年05月09日
コンテンツ番号2895
寺田県知事と、「子育て・教育フォーラム」で
(2007.5.9)
「知事と語ろう“秋田の子育て・教育”県民フォーラム」が5月9日、市交流センターで開催され、市内外からの参加者が、県が導入を目指している子育て新税や、行財政改革、若者の雇用などについて意見を交換し合いました。
このフォーラムは、県知事が、「県民と一緒に、子どもや孫たちのために、そして将来の秋田のために、子育てや教育について社会全体で支える仕組みを一緒に考える機会」として全県8カ所で開催しているもので、最終となった北秋田市会場には、市内及び近隣の市町村から約200人が参加しました。
午後1時30分からはじまったフォーラムでは、はじめに県の担当者が「子育て支援と教育充実を推進する将来ビジョン(案)」を説明、▽県が具体的な構想として掲げている子育て支援策と教育の充実の中核となる事業「未来創造メニュー」には、年間56億円が必要▽しかし、「地域福祉基金」が平成21年で枯渇するなど行政改革で生み出される7億円を含めてもさらに32億円が不足する▽そのため、このうち25億円を県民負担としてお願いしたい▽負担は「一般税」の形で(個人住民税の県税の税率4%を.4.4%に)▽課税については、収入・所得による段階を設け、低所得者ほど負担が少ない累進構造にしたい(⇒試算表)、などと子育ての維持拡充のためのプランと必要な予算額や県民の負担方法を示しました。
また冒頭で寺田知事が、「秋田県は高齢化はもう限界にきているが、出生が県全体でも7,000人ほどと少なく、少子化や全国との所得格差が顕著。今進めようとしているのは、将来の秋田を担う次世代を育てる施策。負担は平均でも年間6,000円と孫にお年玉をあげる程度。また低所得者ほど負担が少ないしくみ。ぜひ県民の皆様に参加してほしい」と、県の子育て支援策のたたき台となる制度への理解を求めました。
意見交換では、会場から▽老年者控除や定率減税の廃止、医療費の増加などで住民の負担が増加している中、低所得者にとっては不安が大きい。制度の主旨は理解できるが、財源を国に求めることはできないのか▽収入が少ないため結婚できない若者が増えている。職場の確保や雇用の創出が先では▽新税の導入で課税システムを変更することになるが、そのためのコストはどれほどになるのか▽新税は目的税ではないのか▽在宅育児支援バウチャー制(一時保育・子育てサポータ等への託児などを利用券により支援する制度)では、不妊治療なども対象になるのか、といった厳しい質問や意見が続出。
これに対し寺田知事をはじめ県側は、▽本当は国がしっかりやるべき施策。しかし、一般企業で育児休業がとれなかったり全国との所得格差が大きい秋田の現状を考えた時、「子育て支援」や「教育の充実」は安心して暮らせるネットワークを築くために最も必要な施策▽企業誘致も含め産業振興にも努めたい▽市町村との協議も必要だが、これまでもたびたび税法の改正に対応していることから、極端なコスト増にはならないだろう▽一般税として予算化し、目的税的に管理しながら執行するしくみを考えている▽不妊治療も重点施策の一つとして盛り込んでいるが、医療機関とも協議しさらに充実した制度にしたい、などと答えていました。
なお県では今後も各地域で県民から意見を伺う機会を設けるとともに、新税を課税するとした場合の方法やコストなどを市町村と協議しながら9月を目途に「将来ビジョン(案)」の成案を作りたい、としています。
【参考】
- 秋田県ホームページ(子育て)
- 同「県民の声」
- 「子育て支援と教育充実を推進する将来ビジョン(たたき台)」