2007年03月09日
コンテンツ番号2825
鷹巣南中学校 「竜森寮」最後の卒寮式
今年度で閉寮となる鷹巣南中学校の寄宿舎「竜森寮」で9日、最後の卒寮式が行なわれ、6人の卒業生が不安や期待などさまざまな思いを胸に過ごした共同生活を終えました。
同寮は、旧竜森中学校と鷹巣南中の統合により、遠距離通学となる竜森地区の生徒を対象として昭和42年に開設されました。秋田県内では唯一の寄宿舎。現在入寮している生徒を含めこれまで939人が利用してきました。しかし、少子化の影響などで寮を利用する生徒が少なくなったことから、今年度の卒寮生を最後に廃止されることになったものです。
この日、同中の卒業式を終えた後に行なわれた卒寮式で、田山校長が「私たち人間は、人と人のつがりで成り立っている。集団生活の厳しさを学ぶことができた寮生はこれから自信を持って巣立ってほしい。寮での思い出は、年月がたつごとに思い出されるでしょう」とあいさつ。
来賓の三澤市教育長がお祝いの言葉を述べた後、佐藤美穂さん(3年:吉ケ沢)と佐藤佳澄(かすみ)さん(3年:葛黒)が「毎日楽しく充実した日々を過ごせたのは、私たち寮生の健康や栄養を考え、おいしい料理を作ってくれた、母親代わりの寮母のみなさんのおかげ。私たちのために作ってくれた料理を、残したりして迷惑をかけたが、感謝の心は忘れません」と寮母3名に感謝の言葉と花束を送りました。
引き続き、鈴木このみさん(3年:上舟木)が、在寮生へプレゼントを手渡した後、藤原菜摘さん(2年)と佐藤美知代さん(2年)が「私たちが、不安いっぱいで入寮したとき、先輩たちはやさしく声をかけてくれ、緊張がなくなり、この集団生活が楽しくなった。苦しい時、つらい時は、この寮生活での経験が生きてくると思う」と送る言葉を述べました。
卒寮生を代表し別れの言葉を送ったは清水茜(あかね)さん(3年:赤利又)は「この寮の生活に慣れたのは卒業した先輩たちのおかげ。その先輩たちに近づこうと頑張れた。みんなのおかげ」、相馬沙紀(さき)さん(3年:上舟木)は「毎日が忙しく、自由な時間が少ないと感じたが、ここでの生活はこれから役立つと思う」、堀部憲正(のりまさ)さん(3年:葛黒)は「家族に素直になれない日々があった。入寮して、食事や掃除、洗濯など、親の苦労やありがたみを感じた。ここでの生活の思い出は色あせることはない」と、最後の卒寮の言葉を述べました。
堀部憲正さんの父・保さんが「先生、寮母、寮生のおかげで、こんなに大きく、立派に子どもたちが成長した。ここでの生活が将来役立つことを信じたい」と保護者を代表し謝辞を述べ、最後に、畠山拓也さん(2年)、川嶋悟さん(同)、畠山将之教諭が卒寮生に元気いっぱいのエールを送り、卒寮生を激励しました。
寮では、2月22日に寮母の企画で「お別れバイキング」を行ない、寮生と宿直に当たった教諭たちと寮の廃止を惜しみながら手作り料理を味わっています。
現在生活している1・2年生は、3学期が終了する19日に退寮し、竜森寮は、この日をもって40年にわたり利用されてきた寄宿舎としての歴史を閉じます。
卒寮生から在寮生へプレゼント