2007年03月21日
コンテンツ番号2811
鷹巣女性史研究会「秋田県芸術選奨受賞を祝う会」
(2007.3.21)
このほど秋田県芸術選奨特別賞(ふるさと文化賞)を受賞した鷹巣女性史研究会(中嶋喜代会長、会員64人)による同賞の「受賞を祝う会」が21日、市中央公民館で開かれ、同研究会の会員や関係者約100人が、受賞を喜び合いました。
同研究会は、郷土の女性人物の学習・研究を目的として昭和59年に発足。研究の成果を後世に残そうと、これまで「鷹巣町婦人会史(昭和63年発行)」、「鷹巣の風土に生きる(平成7年発行)」、鷹巣町の女性議員の足跡をまとめた書籍「明日を拓(ひら)く」の3冊の本を発刊しています。 また、旧鷹巣町時代の平成17年には、町内の小中学生による子ども議会を開催するなど、多彩な活動を行っています。
中嶋会長
記念講演を行った詩人の木内むめさん(ペンネーム・むめ子)
受賞はこれらの活動が、「長年にわたる郷土の女性史の研究と刊行物の出版などが、地域女性の社会参画と足跡研究に大きく寄与した」として寺田秋田県知事から賞が贈られたもので、2月2日、秋田市の県正庁で受賞式が行われました。
祝う会でははじめに中嶋会長が、「このたびの芸術選奨の受賞は、会員一同心から喜んでいる。昭和59年に活動を開始し、これまで3冊の書籍や子ども議会の開催などの活動を行ってきたが、これも市当局をはじめ関係者、地域の皆様のご協力があっての成果。深く感謝申し上げたい。受賞を機にさらに研さんを深め、地域の先人について研究活動などを続けたい。ぜひご協力を」と、喜びの言葉を述べました。
また来賓として出席した岸部市長が、「この賞は、地域の文化を後世に残すことを目的に平成14年に創設されたもので、選考もたいへん厳しいと伺っている。それだけに市民にとっても大きな誇り。本の発行は、調査・研究を基礎に、資料集めや執筆、編集作業とたいへん手間のかかる仕事。また後世に、戦時中の体験など貴重な記録を伝えることのできる貴重な財産となった。3冊もの発行という事業を成し遂げられたことに敬意と感謝を申し上げたい」と、受賞を祝福するとともに今後の活動に期待を寄せました。
来賓あいさつの後、「生きてきた道 生きる道」を演題に、詩人で秋田県緑化推進協議会会長などを務める由利本荘市の木内むめさん(ペンネーム=木内むめ子)の記念講演が行われました。木内さんは大正13年、山形県生まれ。秋田県国際交流を進める会会長、岩城町芸術文化協会会長、岩城町公民館長などを歴任され、詩人として「混沌のそら黄昏のうみ」「残映抄」などの詩集も発刊されています。
木内さんは、夫の介護で自分の時間がなかなか見つけられないときでも、家族の協力で海外研修に進んで参加したことなどのエピソードを紹介、「考えると難しいことでも実行すると道が開けてくる。チャンスは生かすもの」 と、自作の詩を交えながら女性としての生き方について会場に語りかけていました。
講演の後、吉岡興市議会議長の乾杯で祝宴が開かれ、参加者は、受賞を喜びあうとともに今後の会の活動テーマとして予定されている本市ゆかりの直木賞作家・渡辺喜恵子さんや土濃塚イマさん(故人、県地域婦人連絡協議会長、合川町連合婦人会長など歴任)など、先人として地域に貢献された女性などについて語り合っていました。