2007年03月21日
コンテンツ番号2808
山あいに灯す送り火で先祖を供養 春彼岸の伝統行事「万灯火(まとび)」
(2007.3.21)
春彼岸の中日にあたる3月21日夜、鎌沢、三木田、三里など合川南地区の各集落で伝統行事・万灯火(まとび)が行われ、迎え火の炎の列が残雪の山間を照らし出しました。
万灯火は、本市の合川南地区や上小阿仁村など小阿仁川流域で古くから行われている民俗行事。もともと、墓の前でワラを燃やし祖先を供養していたものを、祖先の霊を迎える道しるべとして小高い丘に集落の戸数だけワラを束ねて燃やしたことが始まりとされ、その後、墓地のほか、山の尾根づたいや沢づたい、あるいは川原にたいまつを灯して祖先の霊を迎える地域ぐるみの行事になったようです。
日本では、「東大寺万灯火」などをはじめとして、同様の行事が奈良時代から各地で行われていたことが記録されています。
現在は、「だま」と呼ばれている油を染み込ませたソフトボール大の布玉を針金で支柱に結び付けて燃やし、先祖をしのぶとともに、豊年満作、家内安全を祈願します。また最近では、「まとび」「中日」の火文字や回転式の車万灯火など趣向を凝らした仕掛けも登場するようになっています。
夕刻に点灯され、闇の中に浮かび上がった万灯火の明かりは残雪に映え幻想的。合川地区では、この伝統行事を帰省客などにも楽しんでもらおうと、お盆の8月14日、夏のイベントとして「合川まと火」を開催、合川橋付近の阿仁川堤防約2にわたって万灯火が灯されます。
春彼岸の中日は二十四節気の春分。この日を境に春が駆け足でやってきます。