2019年08月18日
コンテンツ番号3152
山河にこだます大輪の花
(2019年8月18日)
第57回阿仁の花火と灯籠流しが、8月18日(日)に阿仁河川公園で行われ、大勢の観客が幻想的な灯籠の灯りと夏の夜空に広がる光の大輪に酔いしれました。
今年は台風の影響で18日に順延しての開催となり、例年行われる阿仁からめ節やニューソーランといったアトラクションは中止となりましたが、会場には灯籠流しと花火を見ようと多くの観客が河川公園に集まりました。
18時30分から行われた灯籠流しは、お盆に帰ってきた死者の魂を現世から再びあの世へ送り出すために、死者の魂を載せた灯籠を流す行事。阿仁地区では、花火大会に合わせ阿仁仏協会と灯籠流し奉賛会が中心となって開催しています。河川公園に設置された特設祭壇では、祖先の霊を供養する儀式「一代供養」が行われ、善導寺、専念寺、善勝寺、耕田寺、法華寺、福厳寺の6寺院から参加。表白を読み上げ、祭文、物故者への追悼文朗読などのあと、僧侶による読経と檀家代表の焼香で祖先の霊を供養しました。辺りがお香のにおいと読経の響きに包まれる中、各檀家から持ち込まれた灯籠が係員により1つずつ火が灯され、阿仁川に流されました。灯籠は、夕暮れの薄明かりの中を川面に影を映しながら流れ、川辺で見守る観客がその幽玄な灯りを堪能しました。
メインの花火大会は阿仁の花火実行委員会(片岡信幸委員長)が主催。19時15分に開始号砲のあと、「精霊に捧ぐ灯火」とオープニングスターマインが打ち上げられました。
片岡委員長は「台風の影響により順延となったが、阿仁の花火大会は57回目を迎えることができた。今日は最後まで阿仁の花火を楽しんでほしい」などとあいさつ。
また、来賓を代表して虻川副市長は「本日は時間の許す限り、北秋田の短い夏の夜に花咲く大輪と、山々にこだまする轟音の大迫力を楽しんでもらいたい」などと祝辞を述べました。
オープニングスターマインをはじめ、慰霊やお礼の意味が込められたメモリアル花火、4号から6号までの割物花火や、色とりどりのスターマインなどが次々打ち上げられました。川幅約100mほどの阿仁川を挟んで打ち上げられる数々の花火は、間近に迫ってくる光のきらめきと山間に共鳴する轟音で迫力満点。観客は、美しい灯籠絵巻と山峡にこだまする花火との競演を楽しんでいました。