2007年01月23日
コンテンツ番号2717
「ストーンサークル」は継続審議
(2007.1.23)
国の文化審議会文化財部会で審議が進められていた世界文化遺産登録に向けた暫定リスト候補の審議結果が23日発表され、「富士山(山梨・静岡県)」など4件が選ばれました。秋田県が提出した「ストーンサークル」は候補から外れ、継続審議となりました。
北秋田市では、昨年11月、伊勢堂岱遺跡が複数の環状列石を持つ世界でもまれな遺跡であることから県に申請、秋田県では同月30日、同じく申請のあった鹿角市の大湯環状列石を一体のものとして捉え、「ストーンサークル」として文化庁に申請、同庁が諮問する同審議会で審議が行われていたものです。
世界遺産は、政府の申請で国連教育科学文化機関(ユネスコ)の暫定リストに候補として掲載され、審査を経て本登録が決まります。日本で暫定リストに掲載されている遺産は「古都鎌倉の寺院・社寺(神奈川県)」「石見銀山遺跡(島根県)」など4件。文化庁では、「本登録のためには暫定リストに早めに掲載しておく戦略が必要」として自治体に文化遺産の追加候補を推薦するように求め、「富士山(静岡・山梨)」など24件を提案していました。審議会はこの中から富士山など4カ所に絞り込みました。
岸部市長は、不採択の結果を受けて、「今回、暫定リストの候補に採択されなかったことはたいへん残念。しかし、積極的に申請した試みには大きな意義があったと思う。今後採択していだけるよう取り組んでいきたい」とコメントを発表しました。
提案されていた遺産候補と採択となった遺産は次の通り。
採択された遺産候補
- 富岡製糸場と絹産業遺産群(群馬県富岡市など)
- 富士山(山梨・静岡県)
- 飛鳥・藤原−古代日本の宮都と遺跡群(奈良県明日香村など)
- 長崎の教会群とキリスト教関連遺産(長崎市など)
その他提案のあった遺産候補
- 青森県の縄文遺跡群(青森市など)
- ストーンサークル(北秋田市・鹿角市)
- 出羽三山と最上川が織りなす文化的景観(山形県鶴岡市など)
- 金と銀の島、佐渡(新潟県佐渡市)▽霊峰白山と山麓の文化的景観(石川・福井・岐阜県)
- 近世高岡の文化遺産群(富山県高岡市)
- 城下町金沢の文化遺産群と文化的景観(金沢市)
- 若狭の社寺建造物群と文化的景観(福井県小浜市)
- 善光寺(長野市)
- 松本城(長野県松本市)
- 妻籠宿と中山道(同県南木曾町)
- 飛騨高山の町並みを屋台(岐阜県高山市)
- 三徳山(鳥取県三朝町)
- 錦帯橋と岩国の町割(山口県岩国市)
- 萩城・城下町および明治維新関連遺跡群(同県萩市)
- 四国四十八カ所霊場と遍路路(徳島・香川・愛媛・高知の4県)
- 九州・山口の近代化産業遺跡群(山口・福岡・佐賀・長崎・熊本・鹿児島の6県)
- 沖ノ島と関連遺跡群(福岡県宗像市など)
- 宇佐・国東八幡文化遺産(大分県宇佐市など)
- 竹富島・波照間島の文化的景観(沖縄県竹富島)