2019年08月18日
コンテンツ番号3150
北秋田の民俗芸能が一堂に介す
(2019年8月18日)
第14回北秋田市民俗芸能大会が、8月18日(日)に文化会館で開催され、市内外からの約180人の観衆が各地域に伝わる伝統芸能を楽しみました。
市内各地区の集落には、たくさんの個性豊かな民俗芸能が伝承されています。しかし、一般的には地区の祭典やお盆の時期、集落内で公開されていることから、他の地区の市民が目にする機会が少ないのが現状です。また、後継者不足などの理由から廃れてしまった芸能も多く、保存・伝承が課題にもなっています。
大会は、市内で受け継がれている民俗芸能等を広く市民に公開するとともに、民俗芸能伝承者の意欲と技量の向上を図り、また、民俗芸能の鑑賞と記録作成を通して市民の理解と認識を深め、民俗文化財伝承の振興を図ることを目的に、平成18年度から毎年開催されています。
第14回目となった今年の大会には、前山郷土芸能保存会の「雑魚釣り舞」、阿仁からめ節保存会の「阿仁からめ節」、綴子下町大太鼓保存会の「綴子の太鼓(獅子踊・奴踊)」の市内3団体と、八木沢番楽保存会(上小阿仁村)の「八木沢番楽」の合わせて4団体が出演しました。
開会にあたり、津谷市長が「民俗芸能は、将来にわたって大切に継承・保存され、そして活用されていかなければならないものと考えている。本大会を通して、民俗芸能の素晴らしさ、重要さ、貴重さを市民の皆さまに知っていただき、語り合っていただくことで、伝承者の意欲の高揚、技量の向上に繋がるものと確信している。ご来場の皆さまには、それぞおれの芸能の始まりや、民俗芸能に込められた願いに思いを巡らし、現在まで継承されてきた重みを感じながら楽しんでもらいたい」などとあいさつを述べました。
このあと、前山郷土芸能を皮切りに4つの民俗芸能が披露され、来場者はそれぞれの特色ある演舞を楽しみ、大きな拍手を送っていました。
前山郷土芸能(前山郷土芸能保存会:小笠原忠夫会長)
北秋田市指定無形民俗文化財
前山地区に伝わる郷土芸能は、約250年前から踊り継がれてきたと伝えられています。大名行列、奴踊り等は当時、佐竹の殿様が秋田入りした模様を踊りにしたものが踊られるようになったとされています。今大会では、雑魚釣り舞が上演されました。
阿仁からめ節(阿仁からめ節保存会:高田耕搾会長)
北秋田市指定無形民俗文化財
産銅日本一を誇り、佐竹藩の重要な財源として栄えていた当時に、選鉱作業を担っていた女性たちが鉱石を細かく砕くため金づちを振る拍子に合わせて唄ったのが原型とされています。二の又銅山を発祥の地として、宝永4年以降に起源を持つと伝えられています。
八木沢番楽(八木沢番楽保存会:佐藤敏雄会長)
村指定無形民俗文化財
文化10年(1813年)に村田徳助が阿仁根子から八木沢を開田し、移り住んだと同時に伝えられ、代々伝承されてきた舞です。形態は根子のものとほぼ同一です。今大会では、露払いと鞍馬が上演されました。
綴子の大太鼓(綴子下町大太鼓保存会:鈴木祐悦会長)
国選択無形民俗文化財
鎌倉時代の1262年(弘長2年)頃から、雨乞いと日和上げの神事として始まったと伝えられています。毎年7月14日と15日に、上町(徳川方)と下町(豊臣方)が一年交代で綴子神社への奉納をを行っています。今大会では、野次払、獅子踊、奴踊が上演されました。