2008年11月25日
コンテンツ番号2625
内陸線存続への思いを新たに
(2008.11.25)
内陸線フォーラムが、11月23日(日)、阿仁打当温泉「マタギの湯」で開催され、市内外から約120人が参加して、読売新聞特別編集委員の橋本五郎さん(三種町出身)はじめパネラーからの提言に耳を傾けながら内陸線存続への思いを新たにしました。
今回のフォーラムは秋田内陸線地域活性化推進委員会(会長=岸部陞市長)の主催ですが、去る9月5日に西木正明さんや浅利香津代さんらの呼びかけで開催された「なんとかしねばね!秋田内陸シンポジウム」の第2弾として開催されたものです。
フォーラムは、日本テレビプロデューサーの山王丸和恵さん(秋田市出身)の司会で進められ、5人のパネラーがそれぞれの実績を紹介しながら内陸線存続に向けた取り組みを提言しました。
冒頭、橋本さんは、「内陸線の問題は、秋田県をどうするか、日本をどうするかという課題。自分が通っていた歴史ある小学校が廃校になって地域がなくなるという現実にさらされている。地方がこのままでは日本全体の危機につながる。子どもは減っても少ないなりにやっていけるはず」との視点踏まえ、「地元の危機感を県全体の課題として考える大事な機会。全国から叡智、アイデアを集めて内陸線を守らなければならない。地元の報道ももっと積極的なアピールを」などと訴えました。
パネラーの秋田内陸縦貫鉄道の存続を考える会会長の佐藤信夫さんは「自治会などに回数券の購入を協力してもらっているが、高齢化と人口減少で地元の利用にも限界があり、ほかからの誘客も進めなければならない」と訴え、秋田内陸縦貫鉄道を守る会会長の鈴木定平さんは「沿線にはいろいろな観光資源がある。連携して県外へのPRを進めたい」と意気込みを語りました。
また内陸線サポーターの大穂耕一郎さんは「内陸線に関する冊子を出版、DVDの製作、ホームページでの情報発信など内陸線の魅力を紹介している」と自らの取り組みを紹介し、秋田内陸線エリアネットワーク会長の大森光信さんは「ないりっくんのキャラクターグッズをつくりPRに活用している。列車に手を振るこどもの姿を見て感動した。さりげないあいさつも魅力」などと提言しました。
岸部市長は「地元の努力もあって観光客は増えている。小中学生の通学については駅までの送迎を工夫するなどPTAとも協議している。仙北市と一緒に協議会を立ち上げ国の支援を受けながら内陸線地域活性化計画を策定することにしている。沿線の観光資源は残していかなければならない文化。ほかからも来てもらうようにし、内陸線を守るために今後とも協力を」と呼びかけました。
また、橋本さんは、全国には学ぶべきことがいろいろあるとして、利便性を高めて乗車率を向上させた富山ライトレールの例を紹介。出席していた富山ライトレールの関係者は、「急行の本数を増やし利便性を高める。乗り合いタクシーなど駅へのアクセスを便利にする」などと提案しました。
会場からは「JRとの接続を便利にしてもらいたい」「地元の人とのさりげない会話が思い出に残る。人とのふれあいを大事にすることが魅力になる」などと発言がありました。
最後に橋本さんが「思いのたけを語り合って、明るい展望が開けた感じがした。内陸線を守る取り組みをさらに盛り上げて行きましょう」と今後の抱負を述べてフォーラムを閉じました。
フォーラムに先立って、前日の22日には、「文化人と行く週末列車&マタギの湯」が企画され、内陸線角館駅から阿仁マタギ駅まで橋本さんと山王丸さんも同乗してお二人によるトークも行われ、マタギの湯ではミニカンジキ作りを体験するなど内陸線の旅を楽しみました。
また、来る12月6日には、東京でも、秋田を応援する首都圏文化人会議が主催して「なんとかしねばね!秋田内陸線のつどい」が開催され、橋本さんらが内陸線の存続を呼びかけることにしています。