2008年11月27日
コンテンツ番号2621
半生をねぎらい祝福
(2008.11.27)
長年にわたる児童の健全育成・民生活動などの功績により平成20年秋田県文化功労章を受章した中嶋喜代さん(87)=北秋田市住吉町=の受章祝賀会が11月27日(木)、北秋田市中央公民館で開かれ、約160人の参加者が式典と祝宴で中嶋さんの受章を祝福しました。
同章は昭和31年に制度が設けられて以来、昨年まで345人、6団体が表彰されており、今年は中嶋さんほか、美術・工芸の矢口高雄さん(69)=本名・高橋高雄=など各分野で活躍してきた7人に文化功労章が授与されました。北秋田市では、これまで7人が受章しています。
中嶋さんは、昭和28年に現在の子ども会の前身となる「子どもを守る会」を町内に結成、母親が連携して子ども会を育成する基盤を築き上げ、昭和30年から30年間にわたり青少年健全育成鷹巣町民会議の会長を務めるなど児童の健全育成に貢献しました。この間、6期24年にわたり鷹巣町議会議員として女性の意見を市政に反映させました。
また、鷹巣町婦人団体連絡協議会長として鷹巣中央公園でのあじさいの植樹・育成(昭和55年〜)をはじめ、まちづくりイベント「ふるさと踊りと餅っこ祭り」(昭和60年〜)の開催を主導し、まちの物産と観光振興などに取り組まれたほか、健康づくり、環境衛生、交通安全等の民生活動など多方面で活躍されています。
さらに、昭和59年には鷹巣町女性史研究会を設立し、郷土の発展のために尽くした女性について研究活動を続けられ、これまで「鷹巣町婦人会史」など4冊の研究書を発行しています。これらの研究書は地域の重要な歴史資料となっており、平成18年には県芸術選奨特別賞を受賞しています。
祝賀会は、旧鷹巣町議員OBの三澤實さんらが発起人となり開かれたものです。式でははじめに、実行委員長の三澤さんが、戦時中旧満州で辛い生活を過ごし、日本に引き揚げてから、さまざまな地域活動に取り組んだ中嶋さんの半生を紹介した上で、「功労章の受章は当然の結果であり、これまでの諸活動の推進力に深く敬意を表するとととも、苦労を重ねられたことをねぎらいたい」などとあいあいさつ。
来賓の岸部市長は、「満州時代から苦労された経験をもとに広く活動に取り組まれたことに感服する。ますますお元気で活躍されるとともに、後進を指導していただきたい」と祝辞を述べました。
元・旧鷹巣町長の出川禮一さん、吉岡議長らの祝辞、記念品贈呈の後、中嶋さんが「大きな章をいただいたが、これも地域の皆さんの支援のおかげ。祝賀会は心苦しいかぎり。昭和21年に旧満州から命からがら引き上げて以来、語りつくせないほどの喜び、悲しみもあったが、今はこうして悠々自適の生活をさせてもらっている。いただいた栄光に恥じることなく微力ながら尽くして行きたい」と謝辞を述べました。
続いて行われた祝宴では、スピーチで中嶋さんの各種活動への取り組みや思い出などが紹介されたほか、中嶋さんが会長を務める市鷹巣婦人団体連絡協議会のメンバーらによるアトラクションが披露され、受章を喜び合いました。