2008年12月01日
コンテンツ番号2617
認知症は老化のひとつと受け入れて
(2008.12.1)
「地域の医療を考える集い」が28日、市交流センターで開催され、市民ら約250人が参加し、医師や介護福祉士の講演で「認知症」への理解を深めました。
地域の医療を考える集いは、社団法人大館北秋田医師会(佐藤祥男会長)主催。地域住民の方々と一堂に会し、身近な医療問題について話し合うことを目的に毎年開催され、今回で33回目となりました。
佐藤会長は「認知症は早期に発見し、適切な治療をすれば、進行を遅らせることができる。正しい知識を得て、元気に楽しく過ごせるように役立ててほしい」などとあいさつ。
また、岸部市長は「この地域は、県内で一番高齢化が進んでいる。逆に言えば長生きできる地域。プラス思考に考えて、認知症にならないように頑張りましょう」と述べました。
たかのす今村クリニックの伊藤研一院長が「認知症」と題して講演。伊藤院長は「認知症は大きく分けると脳の血管が詰まっておこる脳血管性型のもの、脳細胞に伝達物質のバランスが崩れることによるアルツハイマー型のものに分類される」と説明。また、「認知症になった家族を恥ずかしいなど考えて、家から出さないようにしたり、自分の家の中で解決しようとする傾向が強い。症状により、改善する薬もあるので気軽に医療機関に相談してほしい。認知症は老化の一部と考え、受け入れることが大切」などと講演しました。
続いて、財団法人たかのす福祉公社の佐藤真介護福祉士が「認知症、在宅介護の実際」と題して講演。佐藤さんは「85歳以上では4人にひとりは認知症になる。結婚している方だと、どちらかの両親がなる可能性がある身近な病気であることを理解し、適切に対応してほしい」と現状を説明、また「認知症の方が言っていることを一方的に否定したり、物事ができないからと急がせたり、子ども扱いしたりなど対応を誤ると、本人にストレスがたまり、萎縮したり、激高したり、突発的な行動を引き起こしてしまう。本人にできること見つけてあげて、少しずつ行動にうつし、成功体験の蓄積により自信を持たせることが大切。できない行動に家族が理解してあげてほしい」などと認知症の方への理解を求めました。
最後に質疑応答が行われ、「妻がデイサービスに通っているが、帰ってくると気分が高揚してしまっている。家にいる私には、デイサービスが認知症によいものなのか疑問に思い始めている。デイサービスは本当に効果があるものか」と質問(鷹巣地区80歳男性)。これに対して佐藤介護福祉士は「自宅とデイサービスの環境が違うから気分が高揚しているのでは。デイサービスにもさまざまな種類がある。大人数で過ごすサービスや小規模の介護事業所などがあるので、それぞれの生活環境にあったサービスを受けられた方がよいのでは」などと回答していました。