2008年10月11日
コンテンツ番号2593
少子化・晩婚化を笑いの舞台に
(2008.10.11)
市内を拠点に活動するアマチュア劇団・たかのす劇団(三澤守一代表)の第17回定期公演「みあって、見合って」が10月11日(土)、北秋田市文化会館で開かれ、約300人の観衆が非婚化など地方の社会問題を笑いで描いたステージを楽しみました。
同劇団は、平成3年に同文化会館のこけら落しとして上演された劇団文化座による演劇「みちのく子ども風土記(原作:渡辺喜恵子=鷹巣出身の直木賞作家)」でプロの役者と共演した町民有志でその翌年結成されました。以来、少子高齢化や大型店進出など地域課題などをテーマに取り上げ、年1回のペースで定期公演を行ってきました。
今回は、少子化や晩婚化など現代特有の社会問題がテーマ。脚本と演出は代表の三澤守一さん。結婚しようとしない息子・娘の見合いを「カルガモ親交会」なる団体を通じなんとか成功させようとする両親の姿などを、家族愛とユーモアをたっぷり交えながら描きます。
劇団では5月から本読みなどのけいこを開始。10月に入りステージ練習で動きやセリフの間の取り方など表現に磨きをかけこの日を迎えました。定期公演には根強いファンも多く、開場前から続々と市民らが訪れました。
開幕前には三沢代表が「テーマは少子化。解決策には子供をたくさん作ることだが、私たちの世代ではできない。若い人たちに頑張ってもらうしかない。市ではコウノトリ委員会で少子化対策を進めているが、それにあやかって親同士が見合いをする『カルガモ親交会』を登場させた。ステージはその活動記録。最後までごゆっくり鑑賞を」とあいさつ。
舞台は、とある公民館の一室。適齢期を過ぎた息子・娘を抱える親同士の“見合い”をマッチングさせようとするボランティア団体「カルガモ親交会」の世話役がこの日の活動の準備をしています。ここに、阿川家の母・節子と理想の農業を夢見る息子・信介、それに、福山家の父・康雄と妻・愛子、娘の華子の2組の家族が訪れます。予定されていた“見合い”の段取りを進めるためでした。
ところが、両家の母は2人は中学校の同期生で、タイプは異なるが2人とも当時は人気者だったことから、自慢の息子・娘を縦にライバル心を燃やし合う始末。親交会の世話役は、日を改めて両家の親がそれぞれ息子・娘をPRする“応援演説”をすることを提案します。
休憩を挟んだ第2幕は、互いに必勝鉢巻を締めての応援演説が繰り広げられます。熱が入るあまり、演説の内容は応援の域を超え、政治問題、児童虐待などの社会問題、農業問題にまで及ぶなど、場違いな掛け合いが展開されます。そして結末は・・・。
セリフはすべて“北秋田弁”。互いに子どもの幸せを願う母親同士のやり取りをはじめ、全員が見合いの成就を目指して真剣に取り組んでいる場面は、その掛け合いが真剣なほどおもしろおかしく、客席では随所で笑い声が沸き起こっていました。