2008年09月05日
コンテンツ番号2546
なんとがしねばね!
(2008.9.5)
秋田を応援する首都圏文化人会議主催の「なんとがしねばね!秋田内陸線シンポジウム」が9月5日阿仁ふるさと文化センターで開催され、秋田内陸線の存続を訴え緊急アピール宣言を行ったほか同線への思いや乗車促進のアイディアを語り合いました。
同会議は、今年6月に同線の存廃について9月県議会で結論が出される見通しになったことから、ジャーナリストの橋本五郎さん、作家の西木正明さん、女優の浅利香津代さんの三人が世話役となり存続を支援するため結成された。賛同者には、明石康さん内館牧子さんら首都圏で活躍する文化人33名が名を連ねています。
この日は、沿線住民や関係者約250名が出席するなか、最初に病気で欠席した橋本さんのメッセージが読み上げられ、「内陸線存続はこれからの秋田全体を考える重要な問題、できることから少しずつ始めていこう」と熱い思いが伝えられました。
続いて西木正明さんと浅利香津代さんが『なんとがしねば!秋田内陸線』緊急アピール宣言文を読み上げ、▽「週末文化人まるごと列車」を11月から随時実施する▽劇団四季(佐々木典夫社長:秋田県出身)"こころの劇場"を北秋田市で来年開催する▽首都圏の県出身者への「秋田内陸線ふるさと乗車券」の購入運動▽秋田内陸線の"愛称"の公募など具体的な行動計画も発表されました。
その後、西木さん浅利さん俳優の山谷初男さんをパネリストにシンポジウムが行われ、 「内陸線沿線は、四季折々の自然と昔ながらの生活文化が息づいていて衣食住すべてが魅力。人間の心のふるさとを残してほしい。」「無くすことは簡単だが無くしてからその存在価値に気がつくのでは遅い。」「地元の乗車には限界がある。特色あるサービスをして外部からの誘客を。」などの意見が交わされたほか利用促進のアイディアもだされました。
また、地元参加者からは「首都圏の文化人の方々がこのように応援してくださるのは大変ありがたく力強い。地元には観光資源はたくさんあるが情報発信が下手。今後も継続した協力をお願いしたい。」という意見もだされました。
今回のシンポジウムを「なんとがしねばね」の第一歩として、今後も「PR活動や様々な試みを展開し存続を支援していくことを宣言しました。
よせられた賛同メッセージ(一部)
内館牧子さん(脚本家)
何かすることは、みんなの力できっと勝ち取れると思っています。
問題は、何とかした後です。どうやって利用者を恒常的に確保していくか。
私たちは何とかした後のことを今からみんなで具体的に考え、アピールししていかなければ・・・と思います。
阿部牧郎さん(作家)
私の住んでいる大阪でも、知事が府の関連事業などに赤字、削減の大ナタをふるっている。見ていて気になるのは、目さきの赤字にとらわれて事業を廃止。数字に表れないより大きなマイナスをもたらす例があること。府の援助を打ち切られたオーケストラが解体の危機にあることもその一つ。
秋田内陸線の問題もこれに似ている。沿線は森吉山麓の景勝地。赤字に懲りて廃止すればせっかくの景勝地があまり世に知られぬまま孤立し、地域は衰退して、数字に表れる以上のいわば文化的マイナスをもたらすのではないか。
ずいぶん惜しい話だと思う。
関係者の努力で赤字もかなり縮小されたと聞いている。秋田北空港、秋田新幹線と連結を図るなど大改革をやれば、生き残る道がひらけるのではないか。
奥村茂さん(産経新聞千葉総支局長)
小学生の学力が全国1位、中学生は2位と優秀なのに、なぜ、自殺率が高いのだ。なぜ県民所得が低いのだ。
なんとかしねばね!
観光客誘致の工夫・地場産業の育成・農業の活性化・人材を地元秋田にとどめる方法。
やることは、手を打たなければいけないことはいっぱいある。
なんとかしねばね!
中嶋嶺雄さん(国際教養大学理事長)
グローバル化の時代だからこそ、地域の歴史や文化が尊重されなければならないと思います。
秋田の内陸線は世界に発信できる活きた文化遺産として、是非大切に保守してほしいと思います。