2008年09月30日
コンテンツ番号2483
ひまわりの家に、色鮮やかなこけしが並ぶ
(2008.9.30)
手作りのこけしを製作している金田名英門さん(西根田)がこのほど、大野台老人福祉総合エリア「ひまわりの家」に自作のこけしを寄贈しました。
寄贈されたのは、大きいもので全長約90センチの物を含む26本のこけし。ひまわりの家では、寄贈されたこけしを同施設のホールや休憩室に展示しています。
ひまわりの家にこけしを寄贈したのは、数年前に同施設で金田さんのこけしの展示会を開催したのがきっかけで、金田さんが、施設の利用客などたくさんの人に見てもらいたいと、更にこけしの製作を重ね今回の寄贈となりました。
金田さんのこけしは、間伐材などの杉やケヤキ、桐、山桜の丸太を利用して、ナタ1本で削り製作することから「一刀彫こけし」とも呼ばれており、その胴体には龍や虎、城、鳥、木々、人物などが色鮮やかに描かれているのが特徴です。
こけしを製作した金田さんは、大正9年生まれの89歳。
こけしを作るきっかけは、平成6年に長男から贈られた木地山こけし※を見て、自分もこけしを作ってみようと思ったのが始まりでした。
それから14年間に500本を超えるこけしを製作してきました。製作したこけしは、今回の寄贈と同じように、地元の小学校や中学校、診療所、公民館、最近では合川支所民俗資料室などにも寄贈してきました。
また、金田さんが住む西根田地区の全世帯(50世帯)へも、こけしを贈っています。
西根田地区の各家庭に贈られたこけしは、玄関や床の間に飾られている場合が多く、同地区を行商で訪れた人は「ここの地区は、どの家に行ってもこけしがあるから不思議に思っていた」と金田さんに話したこともあったそうです。
金田さんは、「初めてこけしを作った時に描いたのは、弘前城と桜だった。人物も描くが、女性を描いていくと、自然に先立った妻の顔に似てくるから不思議なものだ。時々こけしを売ってくれと来る人もいるが、今まで一切販売したことはない。作ったこけしは、ほとんど寄贈したり、人にあげている。趣味で作っているこけしだから、もらってくれる人が喜んでくれればいい。こけし作りは趣味であり、生きがいだ」と話してくれました。
金田さんは、今年の冬も自宅隣の小屋で、こけし作りをする予定にしています。
※木地山こけし…秋田県湯沢市(旧皆瀬村)に伝わるこけし