2008年08月13日
コンテンツ番号2465
中高生も参加し、伝統芸能を披露
(2008.8.13)
お盆の13日、市内各地区でお盆行事が行われ、このうち鷹巣地区の前山集落では郷土芸能保存会(小笠原忠夫会長)による奴踊りが披露されました。
前山地区の郷土芸能は、もともと「前山盆踊り」として伝承されてきたもので、江戸中期、村の旧家が集まって豊作と厄除けを祈願するために村社・雷皇(らいこう)神社に奉納したのがきっかけだといわれています。
踊りは、佐竹氏が常陸の国から秋田入りしたときの行列のようすが原型になっているといわれ、大名行列や、獅子踊りなどで構成されていましたが、現在では「奴踊り」「獅子踊り」「じゃこ釣り舞」が伝えられていますが、今年は後継者難から「奴踊り」のみが披露されました。
奴踊りの演目は、当時の生活の中に題材をとったものといわれ、采配役の中奴の指揮に従って輪を作って踊ります。演目の種類はかつては14・5ありましたが、現在では「ぶっ込み奴」「花奴」「綾(あや)奴」「サギリ奴」など6種類ほどが伝承されています。
踊り手は、大人から中高生、就学前の子どもまで約40人ほど。また囃子方は太鼓と笛が務めます。今年は特に中高生、卒業生の参加も増えました。
午後4時過ぎ、神社前で最初の演技。最高気温が30度を超え強い日差しが照りつける中、赤い襦袢に化粧廻し姿の踊り手が、棒や扇、綾と呼ばれる小道具を操りながら熱演し、集まった住民や帰省客などから大きな拍手を浴びていました。(『最初の演技』動画をダウンロード)
前山郷土芸能の中でも独特な芸能が、「じゃこ釣り舞い」。釣り好きの兄弟が、失敗を繰り返しながら最後に大物の鯉を釣り上げる様子をひょうきんな仕草で演じるものですが、今年は踊り手の不足からお披露目できず、がっかりしていた人もいたようでした。
奴踊りの采配と、芸能の説明役を務めていた小笠原会長は、「後継者不足で獅子踊りやじゃこ釣り舞いをお見せすることができず残念、保存会でも後継者育成に努めるが、郷土芸能伝承にご理解を」と、マイクを通し集落の人々に呼びかけていました。
なお、お盆行事は13日に前山のほか李岱・川井(合川地区)、米内沢・本城・浦田・阿仁前田・(森吉地区)、荒瀬(阿仁地区)などで獅子踊り、駒踊りなどの郷土芸能が披露されたほか、14日は今泉・坊沢(鷹巣地区)、比立内(阿仁地区)で駒踊り・獅子踊りが披露される予定ですまた、合川では観光イベントとして「合川まとび・合川ふるさと祭り」が開催されます。(阿仁根子の国指定民俗芸能「根子番楽」は中止となりました)
北秋田市教育委員会では、郷土芸能の伝承と記録保存などを目的として平成18年から北秋田市民俗芸能大会」を開催しており、3回目の今年は、米内沢駒踊り、今泉駒踊り、福田獅子舞、五味堀餅搗き踊り、綴子獅子踊り(上町)、阿仁からめ節、阿仁吉田かざはり太鼓(創作太鼓)の7つの芸能が演じられることになっています。開催日は8月31日(日)。入場は無料ですが整理券が必要です。お問い合わせは各地区公民館まで。(中央公民館62-1130・合川公民館78-2114・森吉公民館72-3259・阿仁公民館82-2220)