2008年08月15日
コンテンツ番号2457
405人が大人の仲間入り
(2008.8.15)
新成人代表としてあいさつした藤嶋修平さん(鷹巣字平崎上岱)
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「逆境の中で見つけたチャンス」と題し、「困難な人生だからこそ、生きる価値がそこにある」と述べた記念講演講師の渡辺幸哉さん
平成20年度北秋田市成人式が8月15日、北秋田市文化会館で開催され、出席した新成人たちが大人としての自覚と責任を新たにしました。
今年の対象者は、昭和62年4月2日から昭和63年4月1日に生まれた405人(鷹巣地区218人、合川地区82人、森吉地区74人、阿仁地区31人。昨年比50人減)。うち約336人が出席し、午後2時30からの式典に臨みました。
式典には新成人のほか、市及び市教育委員会、市議会、民生児童委員などの関係者、また、卒業当時の中学校長、担任教諭らが出席し、祝福しました。
君が代斉唱のあと岸部陞市長が、「二十歳を境に権利と義務が生じ、人生が大きく変わる。これからは、1人の独立した人間として責任を持ち、意思決定をしていかなければならない。そのためにも情報を正確につかみ、先を読むことが大切になる。そして最大の権利行使は選挙。自分の意思を十分に伝え、理想とする社会を作ってほしい」などと期待の言葉を述べました。
また、津谷永光県議会議員、近藤健一郎県議会議員、吉岡興市議会議長がそれぞれ「自分の夢の実現のために悔いの残らないよう努力して」と激励。
記念品贈呈の後、新成人を代表し、藤嶋修平さん(鷹巣字平崎上岱)が、「中学時代、見守ってくれた両親や先生、言葉をかけてくれた友人に素直な気持ちでお礼を言いたい。北秋田市をふるさととして、今までお世話になったすべての人に感謝し、力強く生きていきたい」と誓いました。
式典終了後の記念講演では、車椅子のオフロードレーサーこと渡辺幸哉(ゆきや)さん(男鹿市在住、45歳)が、「逆境の中で見つけたチャンス」と題し、オフロードレースのビデオなどを上映しながら体験談を語りました。
渡辺さんは、埼玉県出身。1992年に二輪車で通勤途中、10トンダンプと衝突し、頚椎損傷四肢麻痺という重度の身体障害者になってしまいます。2年近い闘病生活の後、車椅子での生活となりますが、家族の支えのもと障害を乗り越え、健常者が出場するオフロードレースに挑戦し、日本でただ一人の車椅子のオフロードレーサーとして、海外でのレースにも挑戦し続けます。アメリカ・グアム島で行われたレースでは、4輪駆動の部で昨年の3位に続き、見事優勝を成し遂げました。
「今、男鹿に住んでいるのは若いときから秋田に住みたかったから。ただ、こんな体で住むとは思っていなかった」と渡辺さん。事故や怪我の状況などを紹介しながら、「言葉で説明するのは難しい」と、自身を紹介したTV番組のビデオを上映すると、新成人たちも食い入るようにスクリーンに見入っていました。
久しぶりに再会した友人たちと
渡辺さんは、「レースでは失敗しないと次の試合に気が入らない。しかし、車の状態がよくなかったときでも、他の参加者が脱落し、結果的に3位になたっときもあった。棚ボタとはこのことだが、挑戦し続けることでチャンスが巡ってくる」と述べ、また、グアムのレースで3位になり、仲間がパーティを開いてくれた。不本意な成績だったので飲んだ勢いで来年の大会は必ず勝つと宣言し、酒もやめトレーニングしたら、優勝してしまった」との話には会場から大きな拍手。挫折がステップアップのチャンスでもあることを訴えていました。
また、自身の障害については、「リハビリで克服できる部分もあるが排泄がたいへん。食事のコントロールには気を使う」「寝返りをしないと褥創(じょくそう)ができてしまうので、2、3時間おきに目を覚まし、体位を変えなければならない」と、生活上の苦労を紹介。
しかし、「障害者といってもさまざまだが、手の自由が利かない人には足だけで運転できる『フランツ・システム』という機能を持った車もある。現状を変えられない、と固定観念を持ってしまうと夢を邪魔してしまう。逆境は裏を返せば夢を実現させるチャンスでもある」と、人間の可能性を信じ、勇気と希望を持って生きることの大切さを語っていました。
この後参加者たちは、ホールで記念撮影をした後、友人たちとの再会を喜び合いながら、それぞれの出身の地区などで旧交を深め合っていたようでした。
新成人に二十歳の抱負を聞きました
小笠原唯(おがさわらゆい)=秋田市、鷹巣地区出身
いい奥さんになってあたたかい家庭を作りたい。また、いままで育ててくれた両親にたくさん恩返しをしたい。
能登谷圭剛(のとやけいごう)さん=神奈川県、鷹巣地区出身
目標は特にないが、親に心配をかけないで、仕事を頑張って責任ある大人になりたい。
成田 匡太郎(なりたきょうたろう)さん=八幡岱
現在は農協で保険の取扱い業務をしている。仕事の面でも、生活の面でも後輩の目標になるような社会人になりたい。将来は良き夫・父になり、幸せで楽しい家庭を持ちたい。
森川 梓(もりかわあずさ)さん=小又
今まで育ててくれた両親には本当に感謝している。人のことを思いやれる社会人になりたい。また、たくさん親孝行したい。夢は両親みたいな幸せな家庭を築きたい。
佐藤和穂(さとうかずほ)さん=横浜市、阿仁地区出身
現在は大学で国際関係を勉強している。将来は大学で勉強したことを生かした職に就きたい。責任を持った大人になりたい。夢はかわいいお嫁さんと結婚すること