2008年08月16日
コンテンツ番号2453
灯籠流しと花火で先祖供養
(2008.8.16)
“阿仁の川原・夏の陣”と銘打った送り盆行事「第46回阿仁の花火と灯籠(とうろう)流し」が8月16日、阿仁川・河川公園で行われ、地区内外から訪れた家族連れなどが先祖を供養するとともに山間に響く花火で行く夏の一日を楽しみました。
主催は阿仁の花火実行委員会(菊池忠雄委員長)。灯籠流しは、 お盆に帰ってきた死者の魂を現世からふたたびあの世へと送り出すために、死者の魂を乗せた灯籠やお盆のお供え物を流す行事。阿仁地区では、花火大会に合わせ阿仁仏教会灯籠流し奉賛会(片岡長悦会長)が中心となって開催されており、午後6時から会場入り口付近に設けられた仮設の祭壇で、祖先の霊を招霊し供養する儀式「一代供養」が行われました。
式典には浄土宗の善導寺、専念寺、曹洞宗の耕田寺など各宗派の6寺院の檀家代表と住職らが参加、片岡会長の祭文、今井乙麿(いちまろ)名誉会長による物故者への追悼文朗読などの後、僧侶による読経と檀家代表の焼香で祖先の霊を供養しました。
あたりがお香の匂いと読経の響きに包まれる中、灯籠流しが始まり、各集落の檀家から持ち込まれた灯籠が係員の手で阿仁川に一つづつ流されました。灯籠は約600個。夕暮れの薄明かりの中を川面に影を映しながら灯籠がゆらゆらと流れ、川辺で見守る見物客らもその幽玄な美しさを堪能していたようでした。
午後7時30分から始まった花火大会では、はじめに菊池実行委員長が「多くの皆さんの協力で今年も開催できた。花火とともに、花の百名山森吉山、紅葉なども全国に向けてPRし誘客に努め地域の活性化に貢献したい。阿仁の花火は音と光がマッチする大会。最後まで楽しんで」とあいさつ。佐藤副市長の祝辞の後、開始号砲が鳴り響きました。
この日は、適度な風が吹く絶好の花火日和。「精霊(しょうりょう)に祈りを込めて」と題した慰霊花火で始まり、4号から6号の割り物花火、色とりどりのスターマイン、花や蝶をかたどった造形花火など約3,000発が打ち上げられました。
川幅約100mほどの阿仁川をはさんで対岸から打ち上げられる数々の花火は、迫ってくるような光のきらめきと山間に共鳴する轟音で迫力満点。フィナーレは「マジック・イン・ザスカイ」と題したスペシャルスターマインが夜空を焦がし、今年の大会を締めくくりました。
会場内にシートなどを敷いて陣取った見物客は、美しい灯籠絵巻と山峡にこだまする花火との競演を、午後9時のフィナーレまでじっくりと堪能していました。また、午後3時から異人館・伝承館前で「異人館フェスティバル」が開かれ、帰省客や同級生、ご近所同士が生ビールのジョッキをかたむけ、行く夏を惜しみながら語らいを楽しんでいました。