2008年07月17日
コンテンツ番号2271
環状列石 「ちゃんと意味があることがわかった」
(2008.7.17)
平成20年度の第15次調査が行われている伊勢堂岱遺跡。今年度の調査でも、縄文時代の道と見られる2条の硬化面などが見つかり、環状列石造営の謎解明に向けた手がかりになるのではないかと期待が高まっています。
同遺跡は、秋田内陸線小ヶ田駅付近の台地に位置する、縄文時代後期前半(今から約4000年前)の遺跡。4つの環状列石が発見されるなど学術的価値が高いことから、平成13年1月、国の史跡に指定されました。また、小牧野遺跡(青森)、大湯ストーンサークル(鹿角市)など北東北及び北海道の環状列石のある遺跡と合同で世界遺産暫定リスト登録を目指し、昨年申請を行っています。
遺跡は、平成7年に大館能代空港アクセス道路建設中に発見されたもので、以来考古学ファンをはじめ市内外の小中学生、歴史を学ぶ学生、生涯学習関係の団体など、さまざまな人々が見学に訪れます。17日(木)には、秋田市桜台の桜中学校の生徒4人が見学に訪れ、教育委員会の担当者を講師に遺跡のあらましや環状列石が作られた謎、縄文人の生活などについて学習しました。
伊勢堂岱への訪問は、「あきた新発見 プロジェクト2008〜秋田県ふるさと大使を目指そう」をテーマとした2年生の総合的な学習の時間による活動の一つ。市の担当者あてに届いた訪問依頼の手紙には、「それぞれが特に興味を抱いた場所を訪れ、見学したり、秋田のすばらしさを再発見できたらと思います」と、趣旨を説明しています。
訪れたのは手紙を書いた加藤織江さんほか2年生4人。秋田市をJR線で出発。鷹ノ巣駅で秋田内陸線に乗り換え小ヶ田駅で下車、駅からは、徒歩で汗をかきながら伊勢堂岱の丘の上にある遺跡の発掘現場に到着しました。
遺跡では、市教育委員会の榎本剛治主任学芸員が講師を務め、はじめに縄文時代のあらましなどを説明しました。4人は平成6、7年の生まれ。現在の小学校の社会科教科書では縄文時代以前の記述はなく、中学校ではじめて用語が出てくることから、旧石器時代から縄文、弥生へとつながる原始の日本について、わかりやすく解説していました。
また、発掘現場では最初に環状列石Aの中央に立ち、列石の内と外が縄文人にとってあの世とこの世を隔てる境界線ではないか、と推測されていることなどを紹介。また、列石の石がどこから運ばれてきたのか、などをテーマに問答形式で問いかけると、4人は「米代川?」と答えるなど、しっかりと事前学習を済ませて来たようでした。
この後も遺跡全体を巡り、説明を受けて環状列石が作られた理由、大湯環状列石との関係、発見されたときのようすなどを質問するなど、縄文のミステリーに引き込まれていたようでした。
代表の加藤さんは、「来る前は、どうしてストーンサークルが作られたのか不思議だった。実際に見聞きし、ちゃんと意味があることがわかり興味が湧いてきた」と、話していました。
なお、この日はNHK秋田放送の番組「ひるまえこまち『おらほの駅』」の収録も小ヶ田駅や同遺跡で行われました。番組は28日(月)の午前11時30分から54分の時間帯で放送されます。
伊勢堂岱遺跡では、見学を希望される方のガイドを行っています。事前にご連絡いただければ担当者や遺跡のボランティアが案内いたします。連絡先は次のとおりです。
お問い合わせ
北秋田市教育委員会生涯学習課
TEL:0186-62-6618
FAX:0186-63-2678