2008年07月19日
コンテンツ番号2266
クラシック音楽の醍醐味を堪能
(2008.7.16)
「夏の夜を彩る情熱のクラシック」と銘打った東北電力「名曲の夕べ〜マイ・フェバレット・クラシックス」が7月19日(土)、北秋田市文化会館で開かれ、満場の観衆が山形交響楽団による本格的なオーケストラの演奏を満喫しました。
コンサートは、東北電力株式会社が地域に根ざした活動を行っているオーケストラを支援するとともに、「感動を地域の元気につなげたい」と、地域での企業貢献を目的に1985年から開催しているもので、昨年は能代市で仙台フィルハーモニーの公演を行っています。
入場者は全員が同社の招待。新聞や市広報で希望を募ったところ、789人が応募し、抽選で文化会館の客席数いっぱいの600人が招待されました。文化会館でオーケストラ公演は、平成3年の文化会館のこけら落としで仙台フィルが出演して以来。
東北電力社では昨年7月、森吉山ダム建設に伴う東北電力発電所建設事務所が設置されたことなどから、北秋田市での開催となったもので、このコンサートのほか、17日には米内沢小学校で市内4校の児童を対象に同交響楽団によるスクールコンサートが開かれています。
山形交響楽団は1972年に誕生した東北初のプロオーケストラ。演奏活動範囲は東北6県及び新潟県に及び、精力的な活動で齎藤茂吉文化賞、第28回河北文化賞等など多くの賞を受賞しています。2001年には30年間に及ぶ学校対象の演奏会等による音楽教育普及活動が評価され、サントリー地域文化賞を受賞、東北地方のみならず日本の音楽文化を代表するオーケストラとしての地位を確立しました。
2004年からは飯森範親(いいもり のりちか)氏を音楽監督に迎え、定期演奏会を年間12プログラム、21公演を中心に年間約150回の演奏会を行っています。
この日の演奏曲は、イタリアのボローニャ生まれの作曲家、オットリーノ・レスピーギ( 1879-1936)の「リュートのための古い舞曲とアリア」第三組曲、「白鳥に湖」で有名なサン・サーンス(1835-1921)のヴァイオリン協奏曲第3番ロ短調作品61、ブラームス(1833-1897)の交響曲第2番ニ長調作品73、の三曲。
開演前には、指揮者の飯森氏が初めてオーケストラを聴く来場者にもわかりやすいようにと、それぞれの曲について説明を加え、開演のベルが鳴るとまず、弦楽器のみで演奏される1曲目のレスピーギの第三組曲でクラシック音楽の魅力に引き込まれました。
2曲目のヴァイオリン協奏曲には、ソリストとして奥村愛さん※が登場しました。奥村さんは、国内外のオーケストラとの共演をはじめ、CMやテレビ、ラジオなどへの出演も多く多彩な活動で注目されているヴァイオリニスト。随所に美しい旋律があふれるサン・サーンスの代表曲を、オーケストラと一体となってホールに響かせ、大きな拍手を浴びていました。
休憩を挟んで演奏されたブラームスの「作品73」は、4番まである交響曲の一つ。第1楽章の牧歌的な響きから、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」にたとえられ、「ブラームスの『田園』交響曲」と呼ばれることもある曲です。
42分という長い演奏時間にもかかわらず、明るく、喜ばしさにあふれる大作を、聴衆は終演までじっくりと聴き入り、クラシック音楽の醍醐味を堪能していました。
※8月10日(日)日本テレビ系(ABS秋田放送)「The.サンデー」に出演予定(放送時間8:00〜9:55)