2008年03月25日
コンテンツ番号5156
上小阿仁村が組合離脱を表明
公立米内沢病院を運営する北秋田市上小阿仁村病院組合(管理者・岸部陞市長)の定例議会が25日開催され、職員(医療職一を除く)の給料10%、期末勤勉手当50%削減する条例の一部改正案は賛成2、反対7の賛成少数で否決されました。
公立米内沢総合病院は、医師不足に伴う診療科の縮小、患者数の減少などから19年度末で約4億円の不良債務が見込まれる厳しい経営状況。また、20年度は病床の減少等から職員に余剰が出るため、岸部管理者は人件費等の削減で合理化を図ろうと事務職員、看護師に対し勧奨による早期退職を募ったところ44人が退職に合意、これにより、約3億5千万円が削減されるものの、さらに削減が必要なことから、今回の条例案と20年度予算案の提案となったものです。
岸部管理者は、事前に4度にわたり病院組合労組(石崎政美執行委員長)との間で給与等削減案について交渉をしましたが、労組側は受け入れを拒否、岸部管理者は「自分の責任で」提案に至った経緯があります。
審議で岸部管理者は、北秋田市、上小阿仁村とも財政がひっ迫しており、他の行政サービスに影響が出ること、給料、期末勤勉手当を削減した場合は約1億1千2百万の削減が見込まれることなどを説明し、理解を求めました。
これに対し議員からは、「労使合意がなされていない」「本俸までの削減は絶対に認められない」とする反対意見が相次ぎ、起立採決の結果、条例案は否決されました。
条例案に合わせて提案された給料と手当の削減を盛り込んだ20年度当初予算は「年度末までに差し替える時間がない」ことから、補正対応するということで原案通り可決されました。 今後、労組との交渉では、期末勤勉手当の削減についてのみ協議が行われることとなっています。また、依然人員が余剰となっている部門もあることから、岸部管理者は勧奨による退職についても今後も継続して進めていく考えを示しました。
このほか、管理者と副管理者の報酬を年額1千円とする条例の一部改正案が提案され原案通り可決。この後、議員から議員の報酬も一律1千円とする改正案の動議が出され可決されました。
審議の最後には、「同病院は北秋田市医療整備計画の中で平成21年10月に開院が予定されている北秋田市民病院との連携が盛り込まれていることなどから、今後の米内沢病院の見通しや職員の身分等を早期に提示してほしい」などと意見が述べられ閉会しました。
なお、条例案の否決を受けて、副管理者の小林宏晨上小阿仁村村長は、村として一部事務組合を離脱する考えを示しています。
(2008.3.25)