2008年02月13日
コンテンツ番号5194
第2回すこやか健康講座「歯周疾患の予防と治療について」
市の健康予防事業「第2回すこやか健康講座」が2月13日(水)、市保健センターで開かれ、市民約150人が、歯の健康についての専門家による講演に耳を傾けました。
講座は、市民の生活習慣病予防を目的に開かれているもので、毎回テーマを変え、3回の開催が予定されています。今回の講演会の演題は、「歯周疾患の予防と治療について」。講師には、北秋中央病院歯科口腔外科科長の小松賢一氏を迎えました。
はじめに小松氏が、「歯周疾患は歯の周りの組織が侵される病気のことで、以前は歯槽膿漏と呼ばれていた。特に大人になってから問題になる。はじめのうちは自覚症状が少ないが、進行すると歯や歯を支えている骨が溶け、歯が抜け落ちる怖い病気」、などと前置きし、本題に入りました。
続いて投影機を使い歯の断面図などの写真を見せながら、「歯を失うのは老化よりも歯周疾患が最大の原因。割合では、むし歯は37%だが、歯周病は50%」と、口腔(口の中)が不潔になることでできる『歯垢』と呼ばれる細菌の集団が歯周疾患の最大の原因であることを、説明します。
また、秋田県人の一人当たりの歯の数が全国平均と比べて少ないこと、歯周疾患進行のめやすとなる深さ4mm以上の歯周ポケット(細菌がたまる歯と歯茎の間のすき間)がある人の割合が全国平均より高く、またこの割合は、秋田県では高齢になると歯が少なくなることから逆に低くなる(歯がないと歯周病にはならない)ことなどの調査結果を紹介し、歯周病の原因と進行について話を進めました。
「歯周病の始まりは歯肉炎。歯垢の中の細菌が歯ぐきをおかし、赤くはれる、むずがゆい、などの症状が出る。歯垢は毒素で歯や歯を支える歯槽骨を溶かすいやな得意技を持っている。歯肉炎がきっかけとなって歯周炎に移行する。第1段階では歯石がたまり歯ぐきにポケットができる。炎症が進むと、末期には歯根が露出して歯がぐらぐらし、最後には歯が抜け落ちる」と、病気が進行するようすをスライドで図示しながらの説明に、参加者も真剣に聞き入っていました。
ひととおり歯周病疾患の現状と原因などを説明した上で小松氏は、「早期発見、早期治療が歯を失わずに済む第1の方法」と、対処法について説き、「正しいブラッシングによる歯磨きが大切。歯周病の原因となる歯石の除去には、歯科での治療が必要」と述べ、歯磨きや歯石除去などで口腔を清潔に保つことの大切さを述べていました。
歯みがきの上達には、▽鏡で確認しながらみがく▽みがきにくいとおもうところからみがく▽毛先をきちんとあてる▽軽い力でみがく▽小刻みにみがく、といった心がけが必要とのこと。また、食事のときは良くかみ、飲食の回数をへらすことが予防につながるそうです。
最後に小松氏は、「健康な歯で食事やおしゃべりを楽しむことは、生活の質を高め、人生を豊かに過ごすことにつながる。歯周病は生活習慣病とされ、喫煙やストレス、不摂生な生活も原因になるので、正しい歯磨きとともに、普段の生活を見直し、歯の寿命を延ばしていつまでも健康に」と、会場に呼びかけていました。
次のすこやか健康講座は2月27日(水)、「ちょっと気になる生活習慣病の話」をテーマに、午後1時30分から保健センターで開催されます。
あなたの歯の健康状態は大丈夫?会場で配布した歯の健康チェックシートの項目をご紹介します。
□1.歯ぐきがムズムズする感じがある
□2.朝起きたとき、口がネバネバする
□3.口臭がある
□4.歯ぐきが赤くなる、歯みがきなどで出血する、腫れる
□5.食べ物が歯にはさまる
□6.硬いものが噛めない、噛むと痛い、出血する
□7.歯ぐきがピンクではなく、赤や赤紫になっている
□8.虫歯がないはずなのに、冷たいもの、熱いものがしみる
□9.歯ぐきを指でおすとぶよぶよして血やウミなどが出る
□10.歯が少しグラグラする
※チェックの結果はどうですか?
▽1.か2.のみ→ほとんど健康。これを保ってください。
▽3.〜8.が一つ→ちょっとアブナイかも?虫歯がなくても歯医者さんで定期検診を
▽3.〜8.が複数→歯周病の危険性あり。早めに歯医者さんでみてもらい、治療で改善を!
▽9.〜10.がある→かなりキケン!一刻も早く歯医者さんへ。治療しないとひどくなる
(2008.2.12)