2008年01月15日
コンテンツ番号5336
民俗行事「雪中田植え」
今年の稲作の豊凶を占う小正月行事「雪中田植え」が、1月15日、綴子・大太鼓の館前で行われ、JAなどの関係者約50人が田の神にお神酒を供え、豊作を祈願しました。
雪中田植えは、各地に庭田植え行事として、旧正月に稲作の予祝もしくは豊凶を占う民族行事として農家によって行われてきたものです。この地域に伝わる雪中田植えも、一度途絶えたものを昭和58年、稲作作りに執念をかけた篤農家の故・高橋佐一郎さん(綴子上町)によって復活されました。昭和61年に高橋さんが亡くなって、また一時途絶えましたが、昭和63年より地域の農業後継者である旧綴子農協青年部が意思を継いで「再復活」、現在はJA鷹巣町農協青年部(米沢智剛部長)が継承しております。
大太鼓の館入り口前に特設された雪田に青年部長の米沢さんが、けら、菅笠姿の昔ながらの装いで30センチ間隔で4条に4株ずつ計16束の「苗」を植え付け、そのあと、虫除けや田の目印となるすす払いのわらぼうきで雪田を御祓いしたあと、逆さにして雪田の中心に立て、大根の煮しめやナマス、デンブ、お神酒を供え、大豊作と米価の上昇などを祈願しました。
2月1日には、豊凶を占うため稲刈りが行われます。「稲」が直立していれば実がはいらない不稔(ふねん)、倒れていれば風水害による倒伏を意味し、それぞれ凶作、たわわに実った稲穂のように適度に傾いていれば豊作、という一年のお告げが出るとされています。
(2008.1.15)