2009年12月03日
コンテンツ番号5402
保健センター「思春期講演会」
北秋田市保健センターが主催する平成21年度「思春期講演会」が12月3日(木)、同センターで開かれ、各地区から参加した市民約20人が、思春期の子どもたちの健康、親の役割などについて学びました。
講演会は、思春期を迎える子どもたちの心と体の変化を正しく理解し、子どもの健康管理や育児について共に考える機会とすることを目的として開かれたもので、講演前には栄養士がお勧めする愛情料理の試食も行われました。
講師は、日本助産師会大館北秋田市部所属で北秋中央病院の助産師・五代儀明美さん。「父さん、母さんっていいもんだ」と題し、助産師としての職務、学校などで行った子どもたちへの出前講座などの体験をもとに講演しました。
五代儀さんははじめに、「子どもたちの健康のためには、子どもたち自身が命の大切さを知るとともに、保護者や地域もそのことを正しく理解し伝えることが、子どもたちを見守ってあげることにつながる」と述べ、受精のしくみや胎児の成長のようすをスライドで紹介しました。
その上で、「五体不満足」の著書で知られる乙武洋匡さん、ダウン症や目の見えない子、性同一性障害などの例を上げ、「命は親から子へとつながっているいわば『命のリレー』。ただ、いのちにはいろんな形がある。見え目はそれぞれ違うが、みんな同じ命。違う形や色だからこそ楽しかったり惹かれ合ったりする」などと、いろんな命の形を理解することが、いじめや差別をなくし、自分を知ることにつながる」と、語りかけました。
親の立場からは、「私のところに生まれて来てありがとう、という気持ちを持つことが大切。仕事で疲れて帰ってきても、『君たちの笑顔を見ると疲れはふっ飛ぶ。君たちと話をしたり、ふれあったりするだけで元気になれる』と思うことが、その子に『生まれて来て良かった』と感じさせることになる」と、親の意識が子どもの心に大きく影響することを指摘。
「生きることは人生を楽しむこと。仲間と暮らすこと、笑うこと、喜ぶこと、泣くこと、すべてのことは生きていないとできない。日々の生活で一杯でも、少しでいいから自分の『生きる』について共に考えてみませんか」、との呼び掛けに参加者も肯きながら聞き入っていました。
途中、参加者が数人ずつのグループに分かれて、子どもや子育てについて互いに話し合うなど、聞くだけでなく、意見交換などで子育ての不安解消にもつながった講演会となりました。
講演前の料理試食は、朝食を食べない人が増加している傾向から簡単、手軽に作れるレシピを使ったメニューを紹介したもので、栄養士が調理した「さんまのかば焼きとろろかけ丼」と「まめまめミネストローネ」の2品を試食。いずれも買い置きした野菜や缶詰を使い、鍋や電子レンジで簡単に作れるメニューとあって、「おいしいし、これなら忙しいときでもすぐ作れる」と感想を述べていました。
(2009.12.3)