2009年12月04日
コンテンツ番号5406
鷹巣南中学校で「秋田県の地域医療を考える集会」
秋田県内での医師の養成をねらいとしたセミナー「秋田県の地域医療を考える集会」が12月4日(金)、鷹巣南学校(渡邊一夫校長、生徒数154人)で開かれ、同中の生徒が秋田大学医学部の教育内容や医師の仕事などについて学びました。
セミナーは、秋田県の寄付講座として秋田大学が県内の中高生などを対象として実施しているもので、南中学校では進路学習の一環として開催したものです。講師には、同大医学部総合地域医療推進学講座医学教育部の長谷川仁志教授が招かれました。
1階ホールでの集会には全校生徒が参加。はじめに渡邊校長が、北秋田市民病院の医師不足を例に、「秋田県の医師不足は深刻で市民病院にも影響が出ていることは知っていると思う。しかし、すぐには解決できない問題。10年後に解決できているように今の医療の現状を学んでほしい。未来はあなたたちにかかっている」、とあいさつ。
セミナーでははじめに、循環器が専門の長谷川教授が、心筋梗塞や狭心症治療のスライドを見せながら、「日本の医療は世界一。先端医療ではアメリカが進んでいるが、誰もが平等に受けられることでWHO(世界保健機関)からもナンバーワンと評価されている。しかし、世界有数の高齢化社会でっもある日本では、人生最後の数年間は誰かの介護を受けているのが現状。そのため、若いうちから病気にかからないよう心がける必要がある」と、述べました。
また、子どもと高齢者がいびつな形になっている将来の人口ピラミッドを見せ、「30年後には子どもは今の半分、皆さんが45歳になった頃、少ない人数で高齢者を支えなければならない。この状況をなんとかしたいと、秋田大学では医師養成にも力を入れている」と説明。
さらに、「皆さんの中から医学の道に進む人がいたら、チーム医療従事者として全国の医療を支えてほしい」などと訴えました。
この後、秋田大学医学部で学ぶ内容を具体的に紹介。1年生から医療の現場に出て早いうちから医療技術に加え、患者を中心としたチーム医療としての医師の役割を学ぶことや、卒業後の進路や医師としての生活などについても説明。
最後に長谷川教授は、「皆さんには無限に可能性がある。その道を作っていくのはみなさん自身。一人でも多く医師というやりがいと魅力ある職業を目指してほしい」と、呼びかけていました。
セミナー終了後、生徒会長の藤原武治君が、「医師の道にもいろんな分野があること、医師がいなければ地域医療は進まないことなどを学ぶことができた」と、お礼の言葉を述べました。
(2009.12.4)