2009年12月18日
コンテンツ番号5553
鷹小児童がイギリス人研究者と交流
イギリス人の考古学研究者、サイモン・ケイナーさんと鷹巣小学校(澤田眞理子校長、児童数325人)児童との交流会が12月18日(金)、同小で行われ、児童らがサイモンさんの講話を通し、イギリスの世界遺産遺跡・ストーンヘンジや伊勢堂岱遺跡との類似点などについて学びました。
サイモンさんは考古学(先史時代)の研究者で現在イギリス・セインズベリー日本芸術研究所副所長。ケンブリッジ、オックスフォード両大学の講師、國學院大學の客員教授なども務め、国外の縄文文化研究者としては第一人者として知られています。10月7日から11月22日まで大英博物館で開かれた「土偶展」でも中心的な役割を果たしています。
交流会は、サイモンさんが今月20日(日)に秋田市で予定されている世界遺産登録推進フォーラムの講師として出席するために秋田を訪れたことから、県が、環状列石のある鹿角市の大湯小学校と伊勢堂岱遺跡のある本市の鷹巣小学校を対象に企画したもので、6年生48人のほか市民も参加しました。
サイモンさんは日本留学の経験もあり、日本語に堪能。交流会では、はじめにサイモンさんがプロジェクターを使い、ビッグベンのあるウエストミンスター宮殿やセントポール寺院、最古の鉄橋がかかるアイアンブリッジ峡谷などイギリスの世界遺産を紹介。児童たちは、美しい写真とわかりやすい説明で、遠いイギリスにある歴史的な史跡の魅力に引き込まれていました。
また、子どもの頃、家の近くにあった遺跡を見て歴史や考古学に興味を持ったこと、学生時代は夏休みを利用してヨーロッパ各国の史跡を見学したことなども紹介。
世界的に有名な環状列石・ストーンヘンジについては、「25年が一世代とすると、200世代もさかのぼる約5千年も前の先史時代に作れた遺跡。伊勢堂岱遺跡と同じストーンサークルだが、使われている石はとても大きい。平均で40トン。象は約1トンなので、一つの石だけで象40頭分もの重さ」と紹介すると、児童たちはとても驚いていた様子でした。
また、サイモンさんが模型を使って、遺跡が時計やカレンダーとして使われた可能性を説明すると、身を乗り出して聞き入っていました。
講話のあと、児童たちから「伊勢堂岱とストーンヘンジは同じストーンサークル。その頃、交流があったのですか」「どうやって重い石をはこんだんですか」などと多くの質問が出されました。サイモンさんは「交通機関がない頃なので交流はなかったけれど、当時の人間の考え方は共通していたのかもしれない」「丸太を何本も使い、コロとして石を運んだのではないか」などと、一つひとつの質問に丁ねいに答えていました。
交流会終了後、鈴木隆也君が「ストーンヘンジの目的などたくさんのことを学んだ。同じストーンサークルの伊勢堂岱遺跡についてももっと調べてみようと思う」と、感謝の言葉を述べ、サイモンさんと笑顔で握手を交わしていました。
サイモンさんは、交流会の前に県の担当者らと津谷市長を表敬訪問。津谷市長は、「サイモンさんのような専門家から話を聞けることは、子どもたちにとって大きな幸せ。ますます地元の遺跡や文化に興味を持つことにつながる。伊勢堂岱遺跡の調査発掘などにも助言いただければ幸い」と、感謝の気持ちを伝えました。
(2009.12.18)