2009年10月24日
コンテンツ番号5824
北秋田市上小阿仁村小中学校理科社会科研究発表会
(2009.10.24)
平成21年度北秋田市上小阿仁村小中学校理科社会科研究発表会が10月24日、鷹巣中学校を会場に行われ、北秋田市と上小阿仁村の小学生がそれぞれの研究した課題を発表しました。
この研究発表会は、夏休みなどを利用し研究したそれぞれの課題を分かりやすくまとめ発表するもので、北秋田市と上小阿仁村の各小学校すべてから代表の児童197人が参加し、理科は8教室(130人)、社会科は6教室(67人)に分かれて行われました。
開会式は校内放送で行われ、三澤仁市教育センター所長が「今日の理科社会科研究発表会には、北秋田市上小阿仁村のすべての小学校から児童が参加しています。これも、年々理科社会科に関心を持ってきた子どもたちが増えてきた証と思って喜んでいます。私たちの身の回りには、自分の体を含めて不思議な事や謎だらけの事がたくさんあります。不思議な事や謎に対して、疑問を持ったり興味関心を持って取り組むことはとても大切なことです。人類の科学は人間の知的好奇心が進歩させてきたと思います。今日は取り組んできた成果を大きい声で堂々と発表してください」とあいさつし、それぞれの教室で研究発表会が始まりました。
社会科の研究発表の内、合川北小学校3年の佐藤優輝君が発表した「合川まとび」は、合川南地区で春彼岸の行事「万灯火(まとび)」を見て感動したのをきっかけに、8月14日にお盆の行事として行われる「合川まと火」について調べた成果をまとめたもの。まと火の歴史やまと火の準備方法、点火方法などについて調べ、まと火で使うダンボという火だねを祖母と一緒に作った体験なども披露。また、まと火の準備と火の点火は合川中の男子生徒が協力していることを知り、佐藤君は「ぼくも中学生になってまと火の準備に参加するのを楽しみにしています」と感想を述べていました。
助言者の渡辺美幸先生(合川南小学校)からは「実際にまと火を見に行って自分で体験したことや、関係者に直接インタビューしたことが身になったと思います。その結果、まと火がいつ頃から何のために行われてきたのかをしっかりつかんだと思います。更にこの研究のすばらしい点は、まと火に使われるダンボといわれるものを実際に自分で作ってみたことです。伝統行事の趣旨をしっかりつかんで、自分も中学生になったら関わりたいと憧れを持っているので、すばらしい合川まと火になるのではないでしょうか」と講評がありました。
理科の研究発表の内、鷹巣西小学校2年の長崎すみれさんが発表した「水性ペンのひみつ」は、郵便受に入っていた手紙が雨に濡れて黒いインクが変な色になっていたことをきっかけに、水性ペンのインクは色々な色からできているかもしれないと思い、水性ペンのインクについて実験した成果をまとめたもの。様々な色の水性ペンと水を吸いやすい紙何種類かを用意し、紙にインクを付けて紙の下から水を染みこませて、色の変化を見る実験。紙はテッシュペーパー、キッチンペーパー、半紙、コーヒーフィルターを用意した内、水を吸う速さと色が変わっていく様子がよくわかる紙は、コーヒーフィルターでした。実験の結果は、黒、赤、茶、緑、黄緑のインクは元の色が無くなってしまい、様々な色に変化してインクが紙を上がっていきました。青、紫、だいだい、黄はそのままの色で上がっていきました。長崎さんは「水性ペンのインクは、いくつもの色が混ざっているものと、そうでないものがありました。同じペンでも使う紙によって色の出方が違いました。メーカーの違うペンなど試してみたいと思いました。実験は大変でしたが、博士になった気分でとても楽しい実験になりました」と感想を述べていました。また、今回の実験を活かし、コーヒーフィルターを丸く切り中心から外側にインク染みこませて作ったアサガオも紹介しました。
助言者の滝沢治先生(前田小学校)からは「インクが染みていくのを見て疑問を持てたことがすごいと思います。何気なく普段生活していると、"あれっ"と思うことがだんだん無くなってきますが、ちょっとでもいいから"あれっ"と思ったら確かめてみることがとても大事だと思います。確かめる方法として、インクを先に付けて水を染みこませる方法もよく考えついたと思います。また、インクの染み方の他にも、紙の種類によって染み方が違うことを同時に確かめられ、いろんなことを確かめられたいい実験だったと思います。最後に見せてもらったアサガオですが、実験でやってみたことを活かし応用して別の物を作った事もすばらしいと思います。これからもいろんな事を調べて工夫して楽しんで、理科をもっと好きになってください」と講評がありました。
児童たちは、それぞれの教室で父母ら大勢の聴衆の前で堂々と発表を行っていました。