2009年09月30日
コンテンツ番号5970
志茂田景樹の絵本読み聞かせ劇場
(2009.9.30)
よい子に読み聞かせ隊の隊長として、全国各地で絵本の読み聞かせ活動を行っている作家、志茂田景樹さんの「絵本読み聞かせ劇場」が9月30日、阿仁打当温泉マタギホールで開かれ、阿仁合・大阿仁保育園の園児や保護者ら約100人が絵本の世界を楽しみました。
志茂田さんの絵本読み聞かせ劇場は、スクリーンに映し出した絵本と、志茂田さんの感性あふれる楽しい表現で、自作の絵本を子どもたちに読み聞かせるもので、1990年から全国各地で1300回以上の講演をしています。
はじめに、マタギの里観光開発株式会社の北林昭男社長が「今日の読み聞かせ劇場は、子どもたちにとって貴重な思い出の1ページになると思います。子どもたちに大きな夢を与える志茂田先生の絵本の読み聞かせと、絵本の楽しい世界を楽しんで」とあいさつ。
続いて、ピンクやオレンジ色の派手な服装と、お馴染みの七色に染めた髪で登場した志茂田さんは「よい子のみなさん、おはようございます」と子どもたちにあいさつ。元気に「おはようございます」と返す子どもたちに、「とても元気がいいですよ。東京の子どもより3倍元気がいいですよ」と元気な子どもたちのあいさつに目を細めていました。
志茂田さんは、あいさつの中で直木賞を受賞した小説『黄色い牙』の話に触れ、「黄色い牙は、この地域、阿仁の打当や根子などを舞台に書いたマタギの小説です」と紹介。志茂田さんが20代の頃、保険の調査員をやっていた関係で阿仁を訪れた時、ある民家の土間に熊の毛皮があり壁には鉄砲が掛けてあり、出てきた家の人に事情を聞くと、その人は山で熊を撃っている猟師のマタギだと判明。志茂田さんは、マタギについてとても興味が沸き、時間の経つのを忘れてマタギの話をいろいろ聞いたそうです。そして、帰った後もずっとマタギの事が頭にあって、いつか作家になった時マタギの話を書こうと思っていて、作家になって3年か4年たった当時に書いた小説が『黄色い牙』だったそうです。志茂田さんは「ここの地は、本当になつかしい、第2の故郷みたいに思っています」と述べ、阿仁の思い出を紹介する一幕もありました。
この後、絵本読み聞かせ劇場では、自作の絵本「ぞうのこどもがみたゆめ」、「まんねんくじら」、「ぽんちとちりん」の3作品を読み聞かせ、来場者を楽しませました。読み聞かせた絵本のうち「ぞうのこどもがみたゆめ」は、お父さん像を亡くした子像とお母さん像を描いた作品。勇気と夢をあたえて子像を育て、親の深い愛情と子の素直な成長、命の大切なことを知らせる物語でした。
読み聞かせ終了後に、志茂田さんの絵本販売・サイン会も行われ、写真撮影にも気軽に応じる志茂田さんに、たくさんの方が絵本を買い求めていました。